横浜ビー・コルセアーズ 初のCS進出!

2023年05月08日 12:00

バスケット

横浜ビー・コルセアーズ 初のCS進出!
絶対的な原動力として期待される河村ⒸB-CORSAIRS Photo By 提供写真
 「海賊」の躍進に期待が高まる。Bリーグの横浜ビー・コルセアーズ(BC)は11日から始まる日本生命Bリーグチャンピオンシップ(CS)に初出場する。レギュラーシーズンで中地区2位と結果を出し、Bリーグ発足7年で初のCS切符獲得。大舞台を控える青木勇人ヘッドコーチ(49)、主将のポイントガード森井健太(27)、日本代表ポイントガード河村勇輝(22)を直撃した。
 新たな扉を開いた。
 「海賊」を意味する「コルセア」をチーム名に持つ横浜BCにとって、悲願のCSがいよいよ幕を開ける。
 「なかなか勝てない時期が続いたが、CSに出るという皆の思いがつながった」と青木HCは話す。
 その言葉通り、これまでは苦難の道のりだった。Bリーグ参入1年目から3年間は中地区6チーム中6位。4年目は5位、20~21年は東地区10チーム中8位、21~22年はチーム中8位。残留プレーオフの末に踏みとどまるなど低迷したが、今季は違った。

 チームスローガンに「BEAT ALL」を掲げ、前年度に続いて青木HCが指揮。森井ら主力8選手と契約も継続した。そして青山学院大時代に特別指定選手として横浜BCに所属していた赤穂雷太が千葉Jから加入し、広島からチャールズ・ジャクソン、仙台からはデビン・オリバーが新たに加わった。中堅と若手がかみ合い、レギュラーシーズンを2位で突破した。青木HCは「若いチームだが、いろいろなヒーローが現れた。チームとして成長していった。漫画みたいなストーリー」と振り返った。

 特に、主将に指名した森井については「中堅からベテランの域に入ってきたが、若手が活躍する場をどうつくるかを考えていた」と称えた。ゲームメーカーとしてだけでなく、点取り屋としても成長著しい河村については「バスケットボールの面白さは何かと聞かれたら〝河村です〟と答える」と言うほど信頼を置いている。

 CSには新たなチームスローガン「BE ALL YOU CAN BE」を掲げて臨む。まずは13日から、中地区1位の川崎との神奈川ダービーが控える。藤沢育ちの青木HCにとっても思い入れの深い神奈川対決となるだけに「応援してくださる皆さんと戦っていく」と意気込んだ。

 主将としてフル稼働する森井は「シーズン当初からCS出場という目標を掲げていた。いろいろな方々から〝おめでとう〟と言われた」と反響の大きさを実感している。
 学生時代からゲームメーカーとして高い能力を発揮し、プロ入りしてからも新潟でCSを経験するなど頼れる存在。4月に河村が故障で戦列を離れた間も、3点シュートが得意な森川正明やパワーあふれるジャクソンらに効果的なボールを配給。自ら切り込んでのシュートなど「横浜BCに森井あり」を印象づけた。
 チームの躍進に関しては「特別今年が変わったというよりは、ここ数年からの積み上げでよくなった」と分析。「外国籍の選手を含めて全員、自己犠牲ができる。そういう信頼性が今季はいい方向に向かっている」と話した。CSでも豊富な経験と判断力でチームを引っ張っていく。

 そして、エース河村も故障から本格復帰する。4月2日の滋賀戦で右大腿二頭筋を損傷。「まだ完治したとは言えない」と明かすものの、同22日の三河戦から復帰し、CSへと照準を合わせる。
 東海大生として20年シーズンから横浜BCの特別指定選手でプレーし、昨年3月に大学を中退。「残留プレーオフに出るなど勝てない時期もあったが、僕はこのチームと一緒に強くなりたかった。横浜BCは他のチームに比べて強豪ではないが、本当に泥くさいバスケットボールをする」と今季からプロ契約を結んだ熱い男だ。Bリーグでのプレーが日本代表にもつながるだけに、アシストにシュートにフル回転。CSでもチームの絶対的な原動力となるはずだ。
 そんな河村にとって初体験となるCSは川崎との顔合わせ。「ウチは派手さはないが、絶対に勝つ。大番狂わせができるように頑張るので、今後とも応援のほどよろしくお願いします!」と言い切った。

 ◇青木 勇人(あおき・たけと)1974年(昭49)1月29日生まれ、神奈川県藤沢市出身の49歳。鎌倉学園高―専大。フォワードとしてJBLの大和証券、新潟、bjリーグの東京、大分、琉球、横浜BCでプレー。08~09年琉球でbjリーグ優勝、12~13年横浜BCで同リーグ優勝。引退後は13~15年横浜BCアシスタントコーチ、15~17年同ヘッドコーチ、17~21年新潟アソシエイトコーチ、21年から横浜BCヘッドコーチ。

 ◇森井 健太(もりい・けんた) 1995年(平7)9月22日生まれ、石川県出身の27歳。布水中―洛南高―早大。中学3年時に飛び級でU―16日本代表候補に選出された。高校では2年時にインターハイ準優勝、国体少年男子優勝、ウインター杯3位。3年時にU―18日本代表に選出された。大学3年時に特別指定選手として新潟で活動。卒業後の19年6月に新潟入団。20年6月、横浜BCと契約。趣味はキャンプ。1㍍78、77㌔。

 ◇河村 勇輝(かわむら・ゆうき) 2001年(平13)5月2日生まれ、山口県出身の22歳。福岡第一高時代に全国選手権2連覇を含む4度の日本一を達成。20年1月に特別指定選手としてBリーグ三遠に加わり、当時のB1最年少出場記録、最年少得点記録を更新した。同年4月に東海大に進学。20~21、21~22年は横浜BCの特別指定選手でプレーし、昨年3月に大学を中退。今季からプロ契約を結んだ。尊敬する人物はイチロー氏。趣味はサウナで長野県などに日帰りで遠出することもある。1㍍72、68㌔。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2023年05月08日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム