福沢達哉氏、バレー日本男子は「金メダル狙える」 五輪予選のMVPはセッター関田
2023年10月10日 04:50
バレーボール
それが1、2戦目で現実になった。
そこを乗り越えて切符をつかんだことに意味がある。石川が軸であることは変わらないが、一人一人が自覚を持ちやるべきことをやった。自立したチームになった。
大会を通して日本の強みがレシーブとつなぎであることを改めて示した。この一本を上げればという場面の集中力、つなぎの質がまた上がった。
つないだボールを決め切るアタッカーがいることも大きい。スロベニア戦も、メンバーが代わった米国戦もそういうバレーを体現してくれた。
そして進化したサーブが武器になった。西田、石川、高橋藍らのジャンプサーブに打開する力があることは分かっていたがミドルブロッカー陣のフローターサーブのクオリティーが上がりブレークできる回数が増えた。6人全員がサーブで相手を崩せるようになった。
MVPは関田だ。今や世界が注目するセッターの一人で、ミドルを軸にしたトスワークを各国が研究し、徹底的にマークしてきた。
どれだけ優秀な攻撃陣がいても、それを生かし切れるかどうかはセッター次第。相当なプレッシャーがあったと思う。その影響か、序盤の2試合は少し迷いがあったように見えた。
しかしチュニジア戦以降は効果的なタイミングでミドルを使い中央を意識させながらサイドを使ったり、ラリー中も相手ブロッカーの動きを確認しながら冷静にトス回しができていた。
チームの課題はブロックだ。ラリー中の決定本数が多いのはブロック・アンド・ディフェンスが機能した証拠だろう。ただ相手を仕留めるブロックポイントが少ない。
これが増えればもっと楽な展開になる。日本には中央を通せば勝てると思われているので、特にミドルブロッカーの1対1のブロック能力を高めたい。
このチームにはタレントがそろっている。メダルは夢ではないし、ベストな試合をいいタイミングでできれば金メダルも狙える。勝負を分けるのは、準備が8割で残りの2割はメンタルや流れをつかむ力だ。あと10カ月、各選手が覚悟を持って準備してほしい。(元日本代表)
◇福沢 達哉(ふくざわ・たつや)1986年(昭61)7月1日生まれ、京都府出身の37歳。洛南、中大を経てパナソニック入り。ブラジル、フランスでもプレー。中大1年時の05年日本代表に初選出。08年北京五輪出場。21年8月現役引退。
おすすめテーマ
2023年10月10日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
腰が痛いときは「この」ストレッチ!専門家コメントつき【腰痛対策】
-
名医が教える!自律神経を整える「4つのポイント」
-
“進化する美熟女”62歳の佐藤とく子 ボディービル「日本女子フィジーク選手権大会」で躍動
-
「龍神」戦士が激突!東レ・高橋健太郎 藤井さんとの約束果たす「優勝」 Vリーグ14日開幕
-
バレー日本代表・石川祐希、五輪切符の次は「ミラノで優勝」 イタリア9季目初戴冠でパリへ弾み
-
福沢達哉氏、バレー日本男子は「金メダル狙える」 五輪予選のMVPはセッター関田
-
バレー日本代表・西田有志、パリ五輪は「本当に金狙える」 トークイベントで宣言
-
バレー男子日本代表・ブラン監督、出てこい“アジア大会”世代 五輪でメダル獲得へ望む若手台頭
-
【出雲駅伝】駒大 大会新で連覇!史上初2季連続3冠へ“第一関門突破” 圧勝で藤田監督初陣飾った
-
【出雲駅伝】青学大 “イット!大作戦”不発5位 原監督は脱帽「圧倒的に駒沢が上」
-
【出雲駅伝】厳しい戦いに…箱根予選会エントリー関東以外の大学は環太平洋大12位が最高
-
【出雲駅伝】城西大3位 同大初の留学生3区キムタイが区間賞「ガンバレマシタ」
-
【出雲駅伝】創価大が過去最高の準優勝 一時は39秒差詰め寄るも
-
堀川隆延氏がラグビーW杯日本代表を総括 リーグワンの移籍活発化で選手層底上げを
-
ラグビー代表・藤井NTD「次にバトンを渡したい」 アルゼンチン戦から一夜明け
-
体操・橋本大輝「勝ち切れた」 鉄棒も制して世界選手権で3冠!15年の内村以来の快挙
-
豊昇龍 同期・王鵬に吹っ飛ばされて苦笑い…「アップができてなかった」
-
ブレイキン男子・SHIGEKIX パリ五輪へ「得られるものがあると思える大会に参戦したい」
-
第3回スポニチポーカートーナメント決勝最終日 町田さん万感の初優勝「運のいいところを生かせました」
-
西村優菜「全体的に良い最終日」 ノーボギーで伸ばした13位