福沢達哉氏、バレー日本男子は「金メダル狙える」 五輪予選のMVPはセッター関田

2023年10月10日 04:50

バレーボール

福沢達哉氏、バレー日本男子は「金メダル狙える」 五輪予選のMVPはセッター関田
トスを上げる関田 Photo By スポニチ
 バレーボールの日本代表はパリ五輪予選で本大会出場権を獲得した。元日本代表でパナソニックパンサーズ・アンバサダーの福沢達哉氏(37)が大会を総括し、五輪本番に向けた課題を挙げた。
 このチームに五輪出場権を獲得できる力があることは分かっていた。若い選手が多いので歯車が狂った時にどうなるのかという心配もあった。

 それが1、2戦目で現実になった。

 そこを乗り越えて切符をつかんだことに意味がある。石川が軸であることは変わらないが、一人一人が自覚を持ちやるべきことをやった。自立したチームになった。

 大会を通して日本の強みがレシーブとつなぎであることを改めて示した。この一本を上げればという場面の集中力、つなぎの質がまた上がった。

 つないだボールを決め切るアタッカーがいることも大きい。スロベニア戦も、メンバーが代わった米国戦もそういうバレーを体現してくれた。

 そして進化したサーブが武器になった。西田、石川、高橋藍らのジャンプサーブに打開する力があることは分かっていたがミドルブロッカー陣のフローターサーブのクオリティーが上がりブレークできる回数が増えた。6人全員がサーブで相手を崩せるようになった。
 MVPは関田だ。今や世界が注目するセッターの一人で、ミドルを軸にしたトスワークを各国が研究し、徹底的にマークしてきた。

 どれだけ優秀な攻撃陣がいても、それを生かし切れるかどうかはセッター次第。相当なプレッシャーがあったと思う。その影響か、序盤の2試合は少し迷いがあったように見えた。

 しかしチュニジア戦以降は効果的なタイミングでミドルを使い中央を意識させながらサイドを使ったり、ラリー中も相手ブロッカーの動きを確認しながら冷静にトス回しができていた。

 チームの課題はブロックだ。ラリー中の決定本数が多いのはブロック・アンド・ディフェンスが機能した証拠だろう。ただ相手を仕留めるブロックポイントが少ない。

 これが増えればもっと楽な展開になる。日本には中央を通せば勝てると思われているので、特にミドルブロッカーの1対1のブロック能力を高めたい。

 このチームにはタレントがそろっている。メダルは夢ではないし、ベストな試合をいいタイミングでできれば金メダルも狙える。勝負を分けるのは、準備が8割で残りの2割はメンタルや流れをつかむ力だ。あと10カ月、各選手が覚悟を持って準備してほしい。(元日本代表)

 ◇福沢 達哉(ふくざわ・たつや)1986年(昭61)7月1日生まれ、京都府出身の37歳。洛南、中大を経てパナソニック入り。ブラジル、フランスでもプレー。中大1年時の05年日本代表に初選出。08年北京五輪出場。21年8月現役引退。

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