新シャフト時代の到来?「重硬」から「軽柔」へ

2023年11月09日 15:12

ゴルフ

新シャフト時代の到来?「重硬」から「軽柔」へ
ハル常住氏が開発したクラブ「ファラオ」  Photo By 提供写真
 軽柔シャフト時代の到来か!?タイやベトナム、マレーシアなどアジア各国でゴルフ人気が高まっている。ゴルフ場の新設に加え、ゴルフ用品業界も発展。欧米人に比べ小柄なアジア人向けの用具も続々と登場し注目を集めている。中でもクラブの性能を左右するシャフトは、軽くて柔らかいタイプが支持を広げているという。そのトレンドの背景をマルチゴルフプロデューサーのハル常住氏(68)に聞いた。
 近年のアジア地域のゴルフ産業の発展は目覚ましい。韓国紙によれば同国のゴルフ人口は560万人。日本も同じ560万人(レジャー白書2022)だが、92年の1480万人をピークに激減しており、その勢いは対象的だ。

 経済成長に伴いタイ、マレーシア、フィリピンなどでもゴルフ場の開発が進み、特にタイではゴルフ人口が270万人まで増えたといわれる。そうしたアジアのゴルフ業界に、ある面白いトレンドが生まれていると証言するのがハル常住氏だ。

 「以前はゴルフクラブといえば、米ツアーの人気選手が使っている硬くて重いシャフトが中心でした。でもアジアの人たちは体が大きくない。それで自分たちの体によりフィットしたものを選ぶようになっているのです」。同氏は毎年アジア各国を訪れ市場調査。流行の変化を肌で感じるようになったという。そのきっかけとなったのが韓国メーカーのシャフト「オートフレックス」だそうだ。同製品は軽量で柔らかいのが最大の特徴。13年マスターズ覇者のアダム・スコットが21年に一時、実戦投入したことでも話題になった。

 「私のタイの友人もオートフレックスを装着したクラブを持っています。そもそも欧米メーカーのクラブは欧米人向けに作ってあるのでシャフトが硬くて重い。日本人はそれをまねて硬いクラブを使おうとしますが、アジアの人は合理的です」 日本のアマチュアはプロと同じ硬いタイプを使いたがるが、そこに落とし穴があると指摘する。「私の友人のセベ・バレステロス(故人)でさえ現役バリバリの頃に使っていたのはSシャフト。彼らと比較すれば、非力なアマチュアならLでも良いはずです」 アジア各国で柔らかいシャフトが注目されるようになった背景には、弾道計測器の普及も見逃せない。「どんなクラブが自分に合っているのか、数値で証明できるようになったのが大きいですね」。実はハル氏はオートフレックスが流行する前から柔らかいシャフトの重要性に着目。12年に、しなってもトルクを抑えることでミート率が落ちないクラブ「ファラオ」を開発し一般販売した。そのクラブに興味を持ち、ハル氏に真っ先に購入希望を伝えてきたのがアダム・スコットの父でレッスンプロのフィルさんだった。

 韓国やタイでの“軽柔”シャフトの評判を受け「円安もあって来日してファラオを購入するアジアの人が増えています」とトレンドの転換を実感している様子だった。

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