二所ノ関親方が九州場所を総括 霧島のここ一番で集中力を評価 「自分の形」極めろ

2023年11月28日 04:30

相撲

二所ノ関親方が九州場所を総括 霧島のここ一番で集中力を評価 「自分の形」極めろ
自身の優勝を報じる本紙を手に笑顔の霧島(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 大相撲九州場所は初の年間最多勝に輝いた大関・霧島(27=陸奥部屋)が13勝2敗で大関初優勝を果たした。本紙評論家の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)はここ一番で集中力を発揮した内容を評価。今後、圧力負けしない体づくりと「自分の形」を確立させることが横綱昇進へのテーマと指摘した。霧島は優勝から一夜明けた27日、福岡市内で会見し、綱獲りへの思いを語った。
 一年納めの九州場所は横綱こそ不在でしたが、久しぶりに上位陣が安定し、土俵は締まりました。優勝は13勝した霧島。最近は12勝以下の優勝ラインが多かったので、星数は評価していいと思います。

 12日目の琴ノ若戦、14日目の熱海富士戦。霧島はここ一番の勝負を抜群の集中力でモノにしました。大関のセールスポイントと言うべき、相手の持ち味を消す対応力。相手が右を差してきたら左上手を、左を差してきたら右を取りにいく。相手が嫌がるような相撲を取ることができるのは強みです。

 もっとも「うまさ」のイメージが強くて、「力強さ」となると物足りなさもあります。負けた2番は豪ノ山、高安と圧力のある相手。霧島には年間を通じて常に10勝以上の成績を収められる「強い」大関になることを念頭に精進することが求められます。圧力のある相手への対策、そして「霧島なら、この形」という必勝パターンの構築。それを極めることが横綱への近道だと考えます。

 2場所連続で千秋楽まで優勝争いに絡んだ熱海富士ですが、終盤の霧島、琴ノ若との2番は完敗に近い内容でした。勢いは認めても、まだ上位との力差は感じます。とにかく稽古量を増やす、それしかありません。稽古量の多い部屋に所属していますから、強じんな足腰と揺るがない上半身をつくる。本人も自覚しているはずです。

 貴景勝はよく9番勝ったという印象です。場所前からなかなか状態が上がらなかったなかで15日間土俵に上がって頑張った。九州場所の苦い経験はプラスになったはずですし、初場所は違った姿を見せてくれると期待しています。

 2024年は琴ノ若の躍進に期待です。一門の連合稽古でも平幕を圧倒する強さがあり、取りこぼしもあったなかで11勝。次期大関争いは大栄翔、若元春らがもたついている状況だけに、立ち合いなどの課題を克服すればひとまくりする可能性も十分です。(元横綱・稀勢の里)

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