日大アメフト部 活動停止後もミーティングで結束 OB会は存続求め、学内では廃部に反対の声も

2023年11月30日 04:35

アメフト

日大アメフト部 活動停止後もミーティングで結束 OB会は存続求め、学内では廃部に反対の声も
日大アメフト部の寮
 日大は29日、違法薬物事件で部員に3人の逮捕者が出ているアメリカンフットボール部を廃部にする方針を明らかにした。同部は大学王者を決める甲子園ボウルで21度の優勝を誇る強豪校だが、18年に「悪質タックル」が社会問題化。新体制で出直したが、再び不祥事を起こし、創部から83年の歴史に幕を閉じることになった。
 日大アメフト部は合計で約120人、3年生以下の部員でも約80人の大所帯。8月末に再度の無期限活動停止と寮が閉鎖された後も、ほとんどの選手は週1回のミーティングを行い、結束してきた。日大アメフト部OB会は存続を求め、学内の一部でも廃部に反対する声が上がっていたという。だが、5年前の「悪質タックル問題」に続く不祥事で信頼は失墜。別の幹部は「今のままだと、許されないでしょう。それ(廃部)をしなくて世間は納得するか」と元凶となった部の解体は不可避と強調した。

 ≪有力選手送った強豪高校監督 処遇連絡はまだ≫ 日大アメフト部に有力選手を送り込んできた強豪高校の監督が匿名で取材に応じ「廃部は残念。悪質タックル問題の後は正しい方向に進んでいると思っていたが…」と語った。この高校のOBは現日大アメフト部にも複数在籍。現時点でこの監督のもとにはスポーツ推薦で入学した教え子に対する奨学金などを含めた今後の処遇に関する連絡は届いていないという。

 ≪過去には復活例も…近大ボクシング部は商店街で清掃活動≫ 大学スポーツの不祥事では、09年に名門・近大ボクシング部が部員による強盗事件で廃部となり、12年にOBの赤井英和を総監督として復活した例がある。廃部決定後、元部員たちは学内や最寄り駅から大学までの商店街で清掃活動を行った。また国士舘大剣道部は99年に部員同士の傷害致死事件が起こり廃部。01年に学内サークルとして活動を再開し、04年に部として復活した。

 ≪大麻問題発覚後の動き≫
 ▼8月3日 警察が寮を家宅捜索。

 ▼5日 覚醒剤取締法違反(所持)と大麻取締法違反(所持)の疑いで3年生部員を逮捕。同部が無期限活動停止に。

 ▼8日 林理事長らが会見。

 ▼10日 大学が無期限活動停止処分を解除。関東学生連盟は当面の間の出場資格停止処分を発表。

 ▼11日 練習再開。

 ▼22日 学生寮2度目の捜索。部員4人が任意で取り調べを受けた。また同部コーチを部員へのパワハラ行為で解任。

 ▼25日 男子部員1人が麻薬取締法違反の罪で起訴。

 ▼31日 学生寮を閉鎖。

 ▼9月1日 再び無期限活動停止。

 ▼10月16日 新たに男子部員1人が麻薬特例法違反(規制薬物としての譲り受け)容疑で逮捕。

 ▼30日 日大が第三者委の報告書を文科省に提出。

 ▼11月8日 関東学生連盟が「今季の出場資格の停止」とした上で来季は関東大学リーグ1部上位「TOP8」から1部下位への降格を決定。

 ▼22日 日大臨時理事会で酒井学長と沢田副学長に辞任を求め、林理事長は大幅な減給とする処分案を協議。

 ▼27日 新たに3年生部員の男が麻薬特例法違反の疑いで逮捕。また辞任強要などのパワハラを受けたとして沢田副学長が林理事長に損害賠償を求め、東京地裁に提訴したことが判明。

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