元幕内・炎鵬が申し合い18番「今までにない楽しさ」脊髄損傷から7カ月…回復を日々実感

2023年12月12日 16:48

相撲

元幕内・炎鵬が申し合い18番「今までにない楽しさ」脊髄損傷から7カ月…回復を日々実感
大島部屋の旭輝山(右下)と申し合い稽古を行う炎鵬(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 大相撲の元幕内で東三段目22枚目の炎鵬(29)が12日、東京都墨田区の宮城野部屋で18番の申し合い稽古を行い、完全復活への明るい兆しを見せた。
 炎鵬は夏場所中に脊髄損傷の大ケガを負い、途中休場してそのまま入院。自力で立つことができない寝たきり状態が約2週間続き、日常生活を取り戻すところからリハビリを始めた。8月からまわしを締めて四股が踏めるようになり、10月下旬に一丁押しを再開。そこからさらに1カ月半、今月6日に約7カ月ぶりとなる実戦稽古を再開した。

 この日は大島部屋と押尾川部屋が出稽古に訪れており、総勢24人の力士たちによる激しい稽古が行われた。炎鵬は序二段力士の申し合いから参加。いきなり13番連続で取り、大ノ蔵(25=宮城野部屋)、旭輝山(22=大島部屋)、旭大海(17=大島部屋)らを相手に全勝で動きの良さを見せた。

 その後は相手のレベルを少し上げ、三段目の風栄大(19=押尾川部屋)や美(22=宮城野部屋)らと5番。頭からかましたり張り差しにいったりとさまざまな立ち合いを試しつつ、中に入って一気に前に出る攻めの速さや出し投げなどのうまさも健在だった。首のケガを抱えているだけに、立ち合いは恐怖心との闘い。「そこは今後絶対ついてくる。いかに払拭できるかですね」と素直な心境を明かした。

 申し合いに参加するのは、6日、11日に続いてケガ明け3度目。2日連続で18番をこなしながら「もうちょっと取りたかったですね」と少しもの足りない様子だった。「どこまでやっていいのか自分でも分からないけど、やれちゃうんですよね。いざやってみると、もっとやれるんじゃないかという気持ちになる」。ドクターストップをかけられるほどの大ケガから驚異的な回復。「不思議だけど、相撲を取れば取るほど体が動くようになってくる。できないことができるようになってくるとうれしい」と、自身の体が日に日に良くなっていることを実感しているようだ。

 関取の座を守り続けていた約5年間は「毎日必死で正直、相撲が楽しくなかった」というが、現在は「今までにない楽しさ。本当に楽しい」と、相撲が取れる喜びをかみしめている。「昨日より今日、今日より明日の方が良くなっている。稽古の後は自分の弱いところを反省して、明日どう取り組もうかと今からワクワクしています」。笑顔で前を向く炎鵬の、完全復活の日は着実に近づいている。

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