琴ノ若 新大関場所は改名せず父に恩返し 夏場所から祖父のしこ名継承「琴桜」へ

2024年02月01日 04:35

相撲

琴ノ若 新大関場所は改名せず父に恩返し 夏場所から祖父のしこ名継承「琴桜」へ
祖父で先代佐渡ケ嶽親方の元横綱琴桜の遺影の前で、大関昇進の口上を述べる琴ノ若。右は佐渡ケ嶽親方(代表撮影) Photo By 代表撮影
 【琴ノ若 大関昇進 】 日本相撲協会は31日、東京・両国国技館で臨時理事会と春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議を開き、初場所で13勝を挙げて優勝決定戦に進出し、直近3場所合計33勝を挙げた琴ノ若(26=佐渡ケ嶽部屋)の大関昇進を満場一致で決定した。新大関場所は改名せずに臨み、昇進2場所目となる5月の夏場所から、元横綱だった祖父のしこ名「琴桜」を襲名する方針であることを明かした。
 父と祖父へ、感謝と敬意が込められた。琴ノ若は佐渡ケ嶽部屋で行われた大関昇進伝達式後の会見で「琴ノ若で新大関の場所を取る」と宣言。祖父の先代師匠と生前に交わした「大関昇進で琴桜襲名」という約束が既定路線だったが「この名前で大関に上がりたい」という父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)への恩返しの思いも強くなった。

 琴桜は夏場所から襲名する。大関として「1場所だけでもこのしこ名で…それから琴桜を継がせていただこうかなと」。前日に師匠と約30分話し合い、方針を固めた。今年の夏場所は横綱・琴桜が現役最後の場所となった74年夏場所からちょうど50年。半世紀の節目に「琴桜」のしこ名が復活する。

 伝達式の口上には素直な思いを込めた。「大関の名に恥じぬよう、感謝の気持ちを持って相撲道に精進してまいります」。四字熟語は使用せず母校・埼玉栄相撲部の部訓にも使われる「感謝の気持ち」を入れた。「一番大事。この言葉を胸に刻んでやっていく」。5年前には同校の1年先輩・貴景勝も同じ言葉を使用。恩師の山田道紀監督(58)は「鳥肌が立ちました」と万感の思いだった。

 会見後、師匠とともに祖父の墓前へ報告しに行く琴ノ若は「“ここで満足するな”と言われそう」と厳しかった先代師匠に思いをはせた。目指す先はもちろん、祖父と同じ横綱の地位。「もう一つ上を目指して、その景色を師匠と一緒に見られるように」。琴桜として横綱に昇進すれば、2人へのこれ以上ない恩返しとなる。

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