女子ゴルフ第3のツアー プロテストに合格していない若手戦いの場 最大の特長はファン参加型

2024年02月07日 04:55

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女子ゴルフ第3のツアー プロテストに合格していない若手戦いの場 最大の特長はファン参加型
昨季のマイナビネクストヒロインツアーで年間女王に輝き、プロテスト合格を果たした政田夢乃(中央)(ALBA提供) Photo By 提供写真
 ゴルフで話題となっている「ヒト」「コト」「モノ」にスポットを当てる、随時掲載の新企画「スポニチゴルフ倶楽部」がスタート。第1回はプロテストに合格していない若手女子ゴルファーがしのぎを削る「マイナビネクストヒロインゴルフツアー」を紹介する。19年に発足し、年を追うごとに人気が拡大。その魅力のワケは?
 レギュラーでも、ステップアップでもない“第3のツアー”をご存じだろうか。

 今季で6年目を迎える「マイナビネクストヒロインゴルフツアー」は、情報総合サービス企業「マイナビ」、出版などゴルフ関連事業を展開する「ALBA」、動画配信サービスの「ALBA TV」の3社が独自で共催。ALBA執行役員で営業本部の倉山修本部長(47)によれば「世界での活躍を夢見る若手女子選手に成長のチャンスをつくっていきたい」という理念の下に立ち上げた。

 きっかけの一つは日本女子プロゴルフ協会が主催、主管する試合に出場するにあたり、プロテスト合格を19年に義務づけたことで、ツアー単年登録で参戦していたプロが行き場を失ったことにある。

 出場資格はプロテストに合格していない25歳以下の選手が基本。最大の特長はファン参加型だ。毎試合、10~30人程度のファン投票上位枠があり、選手はSNSなどを通じて自身をアピール。ファンは“推し”を見つけて投票し、ライブ配信で選手の成長を見守る楽しみがある。これまで運営の問題などで現地観戦はできなかったが、多くの要望から昨年は抽選で、最終戦に限り費用1万円で20人のみコースに招いた。その費用は全て賞金に充当。今後、観戦の機会を増やす計画もあるという。

 倉山本部長は「選手、スポンサー、主催者、運営スタッフはもちろんのこと、ファンがいないと成り立たないという考えがあった。選手とリレーションが強まれば、ファンも当事者としてツアーに関わる一員となれる。そこに特長を持たせた」と説明する。一方の選手はライブ配信などでファンから見られる緊張感の中でプレー。重圧のかかるプロテストへ、大きな経験になっているという。

 成長したい選手、応援したいファン、飛躍の場をつくりたいスポンサー、および主催者――4者の思いが好循環を生み、着実に成果が表れている。このツアーから昨年は5人がプロテストに合格。これまで17人の合格実績があり、OBの大須賀望(22)は昨季ステップアップで2勝。今季はレギュラーツアーを戦う。倉山本部長は「ここで活躍するとプロテスト合格に近づくというような登竜門的な位置づけになっていければいい」と意義を唱える。あなたもスターの原石を発見してみては?

 ≪出身選手17人がプロテスト合格≫新たなフォーマットの話題性に加え、ツアー出身選手17人が難関のJLPGAプロテスト合格を果たしているレベルの高さも魅力の一つ。5人が合格した21年度プロテスト合格者の天本ハルカ(25)は昨年のマスターズGCレディースで5位に入るなど、昨季メルセデスランク43位で初シードを獲得。23年度合格者では小西瑞穂(25)がQTランク23位に入り、前半戦出場資格を得ている。

 ▽マイナビネクストヒロインゴルフツアー 19年に発足し、JLPGAプロテストに合格していない25歳以下の若手女子ゴルファーによる年間ツアー。1日と2日間競技があり、今年は4月16日開幕のマイナビカップ(千葉・成田GC)から15試合が予定されている。出場資格は(1)主催者推薦(2)スポンサー推薦(3)マイナビポイント上位(4)前回大会上位(5)ファン投票上位。40~60人で争う各試合の順位に応じてマイナビポイントを獲得し、上位30人が最終戦(賞金総額1000万円)に進むことができる。

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