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“女三四郎”山口香氏 阿部詩の完敗分析「ほんの一瞬のスキで投げられ…文句なしの一本なので」

2024年08月14日 20:13

柔道

“女三四郎”山口香氏 阿部詩の完敗分析「ほんの一瞬のスキで投げられ…文句なしの一本なので」
山口香さん Photo By 提供写真
 元柔道世界女王で筑波大教授の山口香氏(59)が14日、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー」(月~木曜前8・00)にゲスト出演し、パリ五輪柔道女子52キロ級でメダルを逃した阿部詩(24=パーク24)の敗因について見解を語った。
 詩は7月28日に行われた同級の2回戦で、世界ランキング1位のディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)と対戦。3分4秒、谷落としで一本負けを喫し、東京五輪に続く連覇を絶たれた。

 経済アナリスト森永卓郎氏からは、「阿部詩ちゃんはなぜ負けちゃった?圧倒的に強かったけど、柔道ってそういうものなんですか?」と問われた。山口氏は「立ってやる投げ技、寝てやる寝技があるじゃないですか」と前振りし、「立ってやるというものは、出会い頭みたいな事故みたいなところがあるんですよ。相手は狙っていたと思いますよ」と、詩のスキを突いた相手を称賛した。

 その上で、詩の当時の深層心理を分析した。「詩さんは守りというより、攻めに気持ちが行っていたんで、もう一つ攻め手、投げきって一本を取ろうと思っていた。そうすると、守りの方がちょっと気持ちが緩くなるんですね。相手は時間がないし、行くしかないということで、一発勝負にがっと来るので」。それを踏まえて、「出会い頭の事故みたいなところもあって、でもそこもおもしろさですよね。ちょっと実力的には負けているんだけど、ああいうチャンスがあるんだというところが、見ている人には伝わればいいなとは思います」と、柔道の魅力を解説した。

 パーソナリティーのフリーアナウンサー垣花正は、「負けるはずはないというところまで、彼女はメンタルを高めていた証拠なのではないかという話もある」とポジティブな仮説を口にした。

 すると山口氏は「つまり、投げられるわけがないと思っていたわけですよね。ですけど、柔道って絶対、そんなことないんです」と返答。「意識の中で投げられるわけがないという防御の仕方だったから、ほんの一瞬のスキで投げられてますからね、文句なしの一本なので」と、詩の完敗を断言した。

 現役時代に“女三四郎”と呼ばれた山口氏は、84年世界選手権で優勝。五輪は88年ソウル大会で銅メダルを獲得した。柔道を題材にした人気漫画「YAWARA!」のモデルにもなったとも言われる。

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