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ハリル元通訳・樋渡氏が見たパリ五輪「ツール・ド・フランスよりもよかった」

2024年08月15日 13:47

五輪

ハリル元通訳・樋渡氏が見たパリ五輪「ツール・ド・フランスよりもよかった」
パリ市内で取材応じた樋渡氏もパリ五輪の雰囲気を満喫 Photo By スポニチ
 パリの住人は今回の五輪をどう見たのか。サッカー元日本代表監督のハリルホジッチ氏の通訳を務めた樋渡群氏(46)がパリ市内で取材に応じ「開幕前からメディアでは市民が五輪に対してマイナスなイメージを持っていることばかりが切り取られている印象がありました。そこは少し違和感はあります」と指摘した。
 大会期間中は公共交通機関の運賃が大幅値上げされ、「テロ警戒区域」に指定されたセーヌ川沿いは入場規制が敷かれた。パリの飲食店連盟が「前例のない客の減少」を訴える異例の声明も出した。負の側面がクローズアップされたが、住民の多くが保有する公共交通機関の定期券は当初の値上げ方針を直前で撤回。川沿いの入場規制も区域内の飲食店の予約を証明すれば立ち入りを許可されるケースがあるなど大会が進むにつれて緩和されていったという。

 五輪が開幕すると、一気にお祭りモードに火がついた。序盤のラグビー7人制男子でフランスが金メダルを獲得したことで熱が高まり、柔道の英雄リネールの偉業、競泳の怪物マルシャンの4冠に街は熱狂。自転車ロードレースでは会場のモンマルトルの丘に観客が大挙して異常な盛り上がりを見せた。樋渡氏は「五輪を楽しんだパリ市民は多い。地元の飲食店も試合を放映して盛り上がっていたし“日本を応援するよ”と声をかけられたこともあります。モンマルトルの丘の雰囲気はツール・ド・フランスよりもよかった、と言われていますよ」と目を細めた。

 もともと夏は観光客が押し寄せる時期。樋渡氏は「例年、夏はバカンスでパリを離れる人も多い。五輪があったからといって、特に混乱したことはない」と強調した。リールとパリに生活拠点を持つハリルホジッチ氏も大会期間中は妻の実家のあるクロアチアで過ごしたという。無観客開催の21年東京五輪とは違い、パリ市内には様々な国のユニホームやTシャツを着た人々が行き交った。一部で拒絶反応があったことは事実だが、祭典を満喫したパリジャンも多いのが実情だ。

 ○…パリ郊外に住む樋渡氏は事業を営みながら、トップチームの監督になるために必要なUEFAプロライセンスの取得を目指しており、女子サッカーのフランス4部クラブで監督を務めた経験もある。パリ五輪に出場したサッカー女子日本代表の北川ひかる、守屋都弥、平尾知佳はJFAアカデミー福島女子U―18監督時代の教え子。1次リーグ第2戦のブラジル戦、第3戦のナイジェリア戦をスタジアムで観戦し「大会を通して成長するなでしこジャパンは頼もしかった。WEリーグのレベルが上がることを楽しみにしています」と期待した。

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