福留 12球団最速弾 菅野粉砕、開幕戦37年ぶり先発野手全員安打

2018年03月31日 05:30

野球

福留 12球団最速弾 菅野粉砕、開幕戦37年ぶり先発野手全員安打
<巨・神>2回1死、先制ソロを放ち、ロサリオと抱き合って喜ぶ福留(左) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神5―1巨人 ( 2018年3月30日    東京D )】 プロ野球は30日、各地でセ・パ両リーグが同時開幕した。阪神は宿敵・巨人との開幕戦を5―1で快勝。福留孝介外野手(40)が2回1死、左翼ポール直撃の1号ソロを放ち、難敵・菅野攻略のきっかけをつくった。オープン戦は得点力不足で最下位だったチームが、阪神の開幕戦では37年ぶりの先発野手全員安打をマーク。最高の形で18年の船出を切った。
 難攻不落の砦をひと振りでぐらつかせた。2回1死の第1打席。快調な立ち上がりを見せていた菅野を福留のバットが激変させた。3球目の外角直球を鮮やかに逆方向へ。18時25分に飛び出した「12球団1号ソロ」が左翼ポールを直撃し、快勝発進を呼び込んだ。

 「いい投手だし、何とか塁に出て菅野君のリズムで投げさせないようにと思っていた。“切れてくれるな”と思いながら走っていたけど、ポールに当たってくれて良かった」

 これで右腕のリズムが狂った。この回さらに4安打で1点を追加し、3回には大山の1号2ラン。終わってみれば、阪神の開幕戦では1981年以来、37年ぶりの先発野手全員安打だ。自身の一発が引き金になったのは明白ながら、あくまでクールに振り返った。

 「それはどうかはわからない。でも本当にあの後、若い選手がつながってくれたんで、それはすごく良かった」

 春季キャンプ、オープン戦は黒子に徹した。チーム待望の大砲・ロサリオが加入。伸び盛りの若手も多く、話題が彼らに集中する中でマイペースで態勢を整えた。オープン戦は打率・136、0本塁打だったが、自分のスイングや投手との間合いを確認することに専念。「ケガなく来れたんで順調でしょ」と意に介さなかった。

 一方でグラウンド外でも主将らしく動いていた。キャンプ中、休日前夜には若手野手を代わる代わる誘って食事へ。堅苦しくならない場で、助言を送り、悩みを聞いた。

 「若手もベテランもみんなが同じ方向を向いているんだよ、というのは伝えておきたかった。そういう機会として一緒に食事に行ったり、いろんな話をしたり。ベテランが何を言えるかと言えば、技術的なこともだけど、気持ち的なことの方が大きいとオレは思う」

 若い選手は失敗を恐れず、思い切りやってほしい。本当に困った時にはオレたちが何とかする――。難敵・菅野から突破口を開いた一発は、まさに最年長主将の仕事だった。

 前日に「孝介か糸井あたりがガツンと放り込んでくれたら」と話していた金本監督も「本当、景気付けの一発でしたね」と最敬礼だ。2年連続となる猛打賞スタート。若手やロサリオも楽しみだが、チーム一の千両役者の座は今季も背番号8が譲らない。(山添 晴治)

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