【スポニチスカウト部(2)】西部ガスの最速150キロ右腕・大畑蓮 総合力で上位指名狙う

2022年03月17日 06:30

野球

【スポニチスカウト部(2)】西部ガスの最速150キロ右腕・大畑蓮 総合力で上位指名狙う
西部ガスの大畑蓮(撮影・柳内 遼平) Photo By スポニチ
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する第2回は、西部ガスの最速150キロ右腕・大畑蓮投手(20)。甲子園、都市対抗の大舞台を経験した若武者は総合力の高さで上位指名を目指す。
 ダッシュを繰り返す大畑の額に汗が光る。グラウンドに面する博多湾から吹く冷たい海風。12年に創部した西部ガス初のプロ入りを狙う大畑は「ドラフト上位でプロ入りしたい」と熱く言い切った。

 1メートル84、85キロの右腕は「上位」にこだわる。ブルペンでは目標を目指して完成度、総合力の向上を目指している。テークバックの小さな投球フォームから、角度のある直球と多彩な変化球をコーナーに集める。100キロ台で縦に鋭く落ちるカーブはソフトバンク・武田や楽天・岸に匹敵する切れ味で、直球との約50キロの球速差を生んでいる。

 明豊(大分)で3年春に甲子園に出場するも「指名されても下位か育成。プロレベルに近い場所で腕を磨きたかった」とプロ志望届を提出せずに西部ガスに進んだ。1年目から社会人野球最高峰の舞台である都市対抗のマウンドに立つなど経験を積み、直球の最速も3キロアップの150キロに到達。駒大苫小牧を北海道初の甲子園優勝に導いた香田誉士史監督(50)は「プロ入りする力は既に持っている」と太鼓判を押す。

 忘れられない一球がある。昨年6月にソフトバンク3軍との交流試合に先発。5回1安打1失点と好投するも、唯一の失点は初回、牧原大に浴びた右越え先頭打者弾。甘く入った直球を完璧に捉えられ「1軍で活躍する選手は甘い球を確実に捉えてくる」と実感した。それ以来、失投を許さない「プロレベル」の制球力を自らに求めてきた。

 「先発をしたい思いもあるが、リリーフも向いていると思う。年間50~60試合登板する投手になりたい」とプロ入り後の青写真を描く。大学3年と同じ年齢だが、即戦力の活躍が期待できる右腕。勝負の一年へ、熱く燃えている。(柳内 遼平)

 ☆大畑 蓮(おおはた・れん)2001年(平13)11月26日生まれ、大分県出身の20歳。1メートル84、85キロ、右投げ右打ち。

 ☆球歴 朝日小2年時に朝日少年野球部で野球を始める。明豊中では軟式野球部に所属。明豊では2年春からベンチ入り。1学年上にヤクルト入りした浜田太貴。3年春の甲子園では背番号10で4強入りに貢献。西部ガスでは20年の都市対抗、21年の日本選手権に出場。

 ☆球種 カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、ツーシーム。

 ☆趣味 ゴルフ。ベストスコアは103。「ミスを切り替えることは投球でもゴルフでも大切なこと」と趣味を野球に生かす。

 ≪東芝の右腕・吉村貢司郎を憧れる≫救援を主戦場とする大畑が、一番自信を持つ変化球は緩いカーブだ。直球と同じ腕の振りから繰り出し、一度浮き上がってから急激に落ちる軌道。狙われると長打されやすい球種で救援投手が軸球にするのは少ないが「打者は狙ってこないので裏をかくことができる。目線を一度上げることで直球も生きる」とする。憧れの投手は東芝の右腕・吉村貢司郎(24)で、昨年の都市対抗前に練習試合で対戦。吉村の小さなテークバックから力感なく投げ込まれる150キロ超えの直球に衝撃を受け、投球フォームの参考にしている。

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