大谷と共にあらんことを スター・ウォーズ・ナイトで落差193センチ“カーブの覚醒”11K3勝 

2023年04月23日 02:30

野球

大谷と共にあらんことを スター・ウォーズ・ナイトで落差193センチ“カーブの覚醒”11K3勝 
<エンゼルス・ロイヤルズ>スターウォーズナイト仕様のビジョン(撮影・会津 智海) Photo By スポニチ
 【ア・リーグ   エンゼルス2-0ロイヤルズ ( 2023年4月21日    アナハイム )】 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が21日(日本時間22日)、ロイヤルズ戦に「2番・投手兼DH」で出場。7回2安打無失点、6連続を含む11奪三振で無傷の3勝目を挙げた。両リーグトップの防御率0.64、開幕5試合で被打率.092はメジャー史上初。恒例の「スター・ウォーズ・ナイト」で大暴れした二刀流が、歴史的なシーズンのスタートを切り、新たな「エピソード」をつくり上げる。
 映画「スター・ウォーズ」のキーワードは、見えない力を意味する「フォース」。6回2死一塁、カウント1―2から大谷の一球は、ふわりと浮き、左打者メレンデスの膝元に曲がり落ちた。落差73インチ(約185センチ)のカーブ。急激な落差と変化は、見えない力で曲げているかのようだった。

 「曲がり球(スライダー系の球)が張られたりした」

 初回から3者連続空振り三振。直球と、大きく横滑りするスライダー「スイーパー」を軸に2回まで完全、4奪三振で立ち上がった。だが3~5回は2安打され三振1つ。相手の狙いを感じ、中盤から縦割れのカーブを織り交ぜた。前回登板では1球のみだったが今季最多の9球を投じ4度の空振りを奪った。“最遅”68.1マイル(約109・6キロ)で、直球最速100.2マイル(約161.2キロ)と最大51・6キロ差。“カーブの覚醒”で6回無死一塁からは6連続三振で締め、今季最多の11三振を奪った。

 この夜、大型ビジョンに「スター・ウォーズ」人気キャラクターの「ハン・ソロ」との合成写真が映った。カーブの最大落差76インチ(約193センチ)は、初代「ハン・ソロ」を演じたハリソン・フォードの1メートル85を軽く超えた。オハピーが左肩痛で離脱し“新たなる相棒”の捕手ウォラクが、3回に決勝2ラン。女房役でも見事に応えた31歳に「ストライクをどんどん取れるように一生懸命やってもらった」と感謝した。
 
 両リーグトップの防御率0.64。同トップの被打率.092は「1916年以降、開幕5試合で20イニング以上投げた投手」の新記録となった。米メディアは早くもサイ・ヤング賞への質問を重ねたが「まだ全然、早い。まずチームがしっかり貯金を5個くらいつくれるように」と冷静だった。

 前回17日のレッドソックス戦は雨天中断などで31球降板。約4000キロ離れたニューヨーク遠征を挟み前夜、本拠に戻った。メジャー初の中3日登板も「ぎりぎりまでいつも寝る。投球どうこうより体の状態が良かった。ある程度、フレッシュな状態で入れた」と無事に“東海岸からの帰還”を果たした。

 May the force be with you――.(フォースと共にあらんことを)。大谷物語の新章を思わせる、23年の好スタートはまだ続く。(柳原 直之)

 ▽フォースの覚醒 シリーズ第7作で15年12月公開。主人公・レイと悪のカイロ・レンを軸に新たな物語の幕開けとなるエピソード。

 ▽ハン・ソロ 映画「スター・ウォーズ」の主要登場人物の一人。惑星コレリア出身の人間で、職業は密輸業者。愛機「ミレニアム・ファルコン」の副操縦士チューバッカが相棒。劇中では身長1メートル80だが、初代を演じたハリソン・フォードの実際の身長は1メートル85。

 ≪“エピソード0”1度だけ≫大リーグでシーズン防御率0点台は近代野球とされる1901年以降は過去1度しかない。1914年にレッドソックスのダッチ・レナードが記録した0.96で、36試合で25試合に先発し19勝5敗。大谷が防御率0点台となれば109年ぶりとなる。また大谷は直近9試合はすべて3安打以下で、こちらは投本間の距離が現行となった1893年以降では、最長だった21年にメッツのデグロム(現レンジャーズ)がマークした10試合にあと1試合と迫った。

 ≪オハピー代役、ウォラク決勝2ラン≫大谷と今季初バッテリーを組んだ31歳のウォラクが、3回に決勝打となる先制2ラン。昨年5月18日のレンジャーズ戦以来、2度目のコンビで「彼の投球を受けるのが好き。全ての球種が凄かった」と絶賛した。20日のヤンキース戦でスイングした際に左肩を痛めた捕手オハピーは負傷者リスト(IL)入りし、ベンチから戦況を見つめた。

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