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ヤクルト・田口 来オフメジャー挑戦希望 国内FA権使わず3年契約も球団“破棄”OK

2023年12月27日 05:30

野球

ヤクルト・田口 来オフメジャー挑戦希望 国内FA権使わず3年契約も球団“破棄”OK
契約更改交渉を終えたヤクルト・田口 Photo By スポニチ
 ヤクルト・田口麗斗投手(28)が26日、都内の球団事務所で契約更改交渉を行い、3年総額5億5000万円でサインした。年俸は8700万円増の1億7500万円。3年契約ながら、来季取得見込みの海外フリーエージェント(FA)権を行使したメジャー移籍の希望を表明し、球団も後押しすることで合意。パドレス入りした松井裕樹投手(28)には決意のメッセージを送り、同学年で同じ救援左腕に続くことを誓った。
 ヤクルト発、プレミア経由、メジャー行き――。今季取得した国内FA権を行使せず残留した田口だが、海外FAは違う。ずっと胸に秘めていた憧れのメジャーの舞台。「今年しっかりやって、夢じゃなくて目標に変わった感じ。高い目標を目指してやりたい」と早ければ来オフのメジャー挑戦の希望を球団に伝えた。

 本人の強い思いと球団の「親心」が合致した。この日結んだのは出来高を含む総額5億5000万円の3年契約。だが、来季中に取得見込みの海外FA権を行使してメジャー挑戦する場合、球団と改めて話し合いを持つことで合意した。斎藤充弘チーム運営部長は「本人がどう決断するか。その時に話し合いをしましょうということ。オプトアウト(契約破棄)とは違う」と説明。8800万円からほぼ倍増の年俸1億7500万円と、大きな夢が含まれた契約交渉に田口は「しっかり評価していただいた。納得した状態で年を越せる」と笑顔を見せた。

 ライバルが一足先に海を渡った。楽天から海外FA権を行使した松井がパドレスと契約。同学年で同じ左腕、そして同じ守護神を務めた。田口は松井に連絡を取り「絶対に追いかけるからね」と、熱い思いを伝えたという。自身は今季3勝5敗、リーグ2位の33セーブを挙げ防御率1・86。松井は通算236セーブを挙げているが「彼はとんでもない数字を残しているし、その活躍が励みになる。追いつけるようにやるしかない」と力を込めた。

 メジャーへのアピールの場になるのが、来年11月のプレミア12だ。田口は19年の前回大会優勝メンバー。「実力で入っていけるように。連覇のためのピースに加わりたい」と侍ジャパン入りに意欲を示した。色紙には「笑って終える」と書いた。ヤクルトで2年ぶりのV奪回を果たし、世界の舞台へ。笑顔の先に大きな夢が待っている。(鈴木 勝巳)

 ≪そのまま自主トレ地ハワイへ≫田口は球団事務所で交渉を終え、その足で成田空港に向かい自主トレ地の米ハワイに出発した。同僚の丸山翔と年明けまでトレーニングを行う予定で「暖かい環境ですぐに体をつくれるのが利点」。今オフは遺伝子検査を行って体の状態をチェック。さらに元Jリーガーでアスリートフードマイスターの資格を持つ小泉勇人氏(28)に食事管理などを依頼し、ハワイにも同氏のスタッフが同行する。

 ◇田口 麗斗(たぐち・かずと)1995年(平7)9月14日生まれ、広島県出身の28歳。広島新庄では甲子園出場なし。13年ドラフト3位で巨人入り。2年目の15年4月11日のヤクルト戦で初登板初先発初勝利を挙げ、17年に自己最多の13勝。21年3月に広岡とのトレードでヤクルトに移籍した。17、23年に球宴出場。1メートル71、83キロ。左投げ左打ち。

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