巨人・西舘 超クイックだけじゃない 緩急自在の幻惑ピッチで2回無安打無失点

2024年02月26日 05:25

野球

巨人・西舘 超クイックだけじゃない 緩急自在の幻惑ピッチで2回無安打無失点
<巨・ヤ>4回を抑え、岸田(左)と言葉を交わす西舘(撮影・藤山 由理) Photo By スポニチ
 【オープン戦   巨人1-2ヤクルト ( 2024年2月25日    那覇 )】 打者を幻惑した。常時クイックで最速155キロを投じる巨人のドラフト1位・西舘(中大)が普段よりも遅く左足を上げる。タイミングを外された丸山和の打球は、浅い中飛となった。
 「いつものクイックなら当てられて(三)塁線の方というイメージが湧いたので、少しでも間ができたら変わってくるなと思った」

 3回から3番手で今春3度目の実戦登板。その最初に対戦した丸山和に対し、イレギュラーなフォームで投じた。直球を2球連続で投じてともにファウルで追い込み、3球目の直球はボール。ここで“嗅覚”を働かせた。大学時代とは格段に打者のレベルも上がり、単調なリズムでは抑えられない。時には「スーパークイック」という自身の代名詞を捨てる覚悟を示し、1四球を与えたものの2回無安打無失点に抑えた。

 準備は整えていた。動き出しから捕手が捕球するまで平均1・1秒台のクイックが武器だが「自分の投げ方は間をつくるところがない」と分析し、この日の登板を見据えてブルペンで一般的な速度のクイックも練習。この日は1・4秒前後のフォームも使い分け、より従来のクイックもさえた。投球フォームだけでなくセットしてからの間も1球ごとに変えるなど工夫。「構え遅れもあったので、有効的だなと」と手応えを口にし、杉内投手チーフコーチも「そういう姿勢は買っている。考えて投げている」と評価した。

 投げるたびに評価を上げている21歳の即戦力右腕は初のオープン戦登板にも「自分の練習でもあるので、いろいろ使いながら」とマウンドではやるべきことに集中していた。「何個か(フォームに)引き出しがあれば、打者の反応も違ってくる」と西舘。クイックと同様、その成長スピードも速い。(小野寺 大)

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