ドジャース・由伸 魔球「ヨーヨーカーブ」でメジャー1勝 2度の満塁斬り5回無失点8K「凄くうれしい」

2024年04月08日 02:30

野球

ドジャース・由伸 魔球「ヨーヨーカーブ」でメジャー1勝 2度の満塁斬り5回無失点8K「凄くうれしい」
<カブス・ドジャース>メジャー初勝利を挙げた山本(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 【ナ・リーグ   ドジャース4―1カブス ( 2024年4月6日    シカゴ )】 ドジャースの山本由伸投手(25)が6日(日本時間7日)、カブス戦に先発し5回を3安打無失点。メジャー登板3試合目にして待望の初勝利を挙げた。初回から2イニング連続で満塁を招いたが、宝刀カーブを駆使してピンチを脱出。メジャー最多の8三振を奪った。注目を集めた鈴木誠也外野手(29)との米初対決にも完勝。日本を代表する若きエースが、確かな一歩を踏み出した。
 山本の頬はうっすらと赤みがかっていた。試合後、洗濯するカゴに乗せられ、シャワールームへ向かった。目的は祝福のビールかけ。「噂は聞いていた。何の味か分からないけど、ビールだけじゃなかった」と満面の笑みで振り返った。

 「凄くうれしく思います」

 5回3安打無失点で待望のメジャー初勝利。肌寒さの残るシカゴでのハイライトは早々に訪れた。制球がやや乱れた初回はいきなり無死満塁。だが、「ストライクゾーンにいいボールを投げていこう」と開き直った。

 窮地を救ってくれたのは、縦に鋭く落ちることから米国で「ヨーヨーカーブ」とも称される宝刀カーブだった。まずは4番モレルを3球連続カーブで空振り三振。2死後、今度はブッシュを外角へのカーブで見逃し三振に仕留めた。2回2死満塁もベリンジャーをカーブで見逃し三振。序盤にスプリットが鋭さを欠くとみると、割合を増やした。2回までに奪った5三振で決め球の4個はカーブ。3度目の登板で最多の35%を占め「カーブでカバーしながら立て直せた」と胸を張った。

 メジャー最高と称されるカーブの使い手から極意を学んだ。1日の本拠地ジャイアンツ戦。サイ・ヤング賞3度の左腕カーショーとピッチング談議をした。山本が「変化球の話とか、握りとか、そういう会話」と詳細を明かすことはなかったが、ボールをひねるようなジェスチャーをする場面もあった。

 3~5回はいずれも3者凡退。5回は鈴木を94.5マイル(約152キロ)高め直球で空振り三振に退けた。「ちょうどいい高さに抜けたので本当に運が良かった」と謙虚に笑う。初登板は1回5失点だったが、これで10イニング連続無失点となった。

 大谷とはベンチでハイタッチ。「ナイスピッチング」と祝福されたという。投手史上最高額の12年総額3億2500万ドル(決定時約462億円)で契約した日本の若きエース。憧れのメジャーでまだまだ高みを目指す。(柳原 直之)

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