「8番・木浪が出て1番・近本が還す」阪神の黄金得点パターンが今季初めて発動

2024年04月08日 05:15

野球

「8番・木浪が出て1番・近本が還す」阪神の黄金得点パターンが今季初めて発動
<ヤ・神>3回、適時打を放った近本は三塁へ滑り込む(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神1-3ヤクルト ( 2024年4月7日    神宮 )】 阪神は7日のヤクルト戦に競り負けて2連勝で止まり、再び借金1に後退した。光明は近本光司外野手(29)だ。2点劣勢の3回1死二塁から右中間三塁打で今季の初適時打。右前打で出た8番・木浪聖也内野手(29)を強打で還し、昨季の得点パターン「キナチカ」が開幕9戦目で初めて機能した。9日からは広島との本拠地開幕シリーズ。「100周年」の甲子園球場に猛虎がいよいよ戻ってくる。
 近本は糸を引くような弾道で鮮やかに右中間を割り、快足を飛ばして三塁ベースへ滑り込んだ。「得点圏で今年打ってなかったので、1本出てよかったです」。2点を追う3回1死二塁。開幕から6度目の得点圏打席に反撃の一打で応えた。

 昨季は両リーグ最高の得点圏打率・374。持ち前の勝負強さを眠らせたままにしなかった。昨季は下位の木浪が塁に出て、上位の近本が還す得点パターンで“セ界”を席巻。13試合14度を数えた「キナチカ」が今季初めて発動した。

 決めた一打が三塁打だったことも近本らしい。2日のDeNA戦に続いて9試合で早くも2本目。60年長嶋茂雄(巨人)以来、リーグ史上8人目の12三塁打を記録した昨季、2本目は14戦目だった。「ミスター・スリーベース」はさらにスケールアップの予感だ。

 中堅守備でも4回にサンタナの正面へのライナーを滑り込みながら好捕。5日に中村のライナーを落球し、2年ぶり失策が失点につながった悪夢を払拭した。2死から中前打で出た5回は中野の2球目に今季2個目の盗塁。走攻守それぞれで持ち味を発揮した。

 2点を追う9回2死二塁で二ゴロで最後の打者。「その打席でやることをしっかりできたか、できなかったか…なので」。過剰な気負いはなく、6年目の今季も哲学者のように一打席一打席と向き合っていた。

 今年1月の鹿児島・沖永良部島での自主トレでは自主的にウオーミングアップのメニューを考案し、個人トレーナーを務める仲林久善氏と二人三脚で体づくりに励んだ。仲林氏は「彼はテーマややりたいことが常に進化している」と証言。与えられた課題を指示通りこなしたのは過去のこと。じっくり1時間近くかけて各部をほぐしてから練習し、1年間を戦い抜く体の基礎を築いた。今年11月に30歳。常に視線はずっと「先」にある。

 9日は広島を迎えて本拠地開幕。「全員で頑張ります」。いよいよ始まる100周年メモリアルの甲子園球場での戦いを、猛虎の旗頭として心待ちにした。(八木 勇磨)

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