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“地味トレード”で2度世界一のフィリーズ編成本部長「小さなことにフォーカス」 今回のターゲットは?

2024年07月10日 10:15

野球

“地味トレード”で2度世界一のフィリーズ編成本部長「小さなことにフォーカス」 今回のターゲットは?
デービッド・ドンブロウスキー編成本部長 Photo By スポニチ
 地区優勝に向けて、完璧な道のりを進むチームがトレードデッドラインまでどう動くのか?スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」が分析している。
 7月8日(日本時間9日)時点で58勝32敗とナ・リーグ東地区首位を走るフィリーズ。メジャー30球団で最高勝率を誇り、2位・ブレーブスに7・5ゲーム差と盤石の状態を築いている。投手陣の防御率は3・26でメジャートップ、攻撃陣のOPSは・748で全体5位と投打がかみ合い、球団記録となる7人の選手をオールスターゲームに送り込むことも決まった。同地区での優勝の可能性は、データサイト「ファングラフス」によると88.8%となっている。

 理想的なチーム状態だけに、トレードのデッドラインが近付いても、大物の補強に動く必要はない。フィリーズのデーブ・ドンブロウスキー編成本部長は最近、番記者に「小さなことが、ある特定の試合で勝つためにチームをより良くする、そこにフォーカスしている」と話している。今月27日に68歳の誕生日を迎えるが、エネルギッシュに動き回る編成本部長。ほぼ全ての遠征に同行し「小さなこと」を見逃さず、チームの状態の観察に余念がない。

 ドンブロウスキーが過去、行ったトレードの実績が興味深い。レッドソックスの編成本部長時代の2018年。メジャー12年目のベテランで、自身6球団目となるブルージェイズでプレーしていたスティーブ・ピアースを獲得。5月は1試合、6月は4試合しかプレーしていなかった35歳の獲得は大きなニュースにはならなかった。しかし。メジャー13年で通算打率は・254、91本塁打。その年はブルージェイズでプレーしていたが、5月は1試合、6月は4試合しかプレーしていなかった。6月末にトレードが決まった時は35歳で、大きなニュースではなかった。

 しかしチーム加入後は打線に厚みを持たせる役割としてフィットし、移籍後は50試合に出場し打率・279、7本塁打、26打点と活躍。ドジャースとのワールドシリーズでは3本塁打、8打点と大暴れし、シリーズMVPに選ばれている。

 マーリンズ時代の1997年にも“大成功”を導き出した。現在カブスの監督を務めるクレイグ・カウンセルをロッキーズから獲得。まだメジャーで4試合しかプレーしていなかった選手を、7月末にゲイリー・シェフィールド、ボビー・ボニーヤらが打線に並ぶスター軍団に加えた。

 カウンセルは移籍後、51試合に出場し打率・299、1本塁打、16打点を記録するなどつなぎ役として活躍。インディアンスとのワールドシリーズ第7戦では試合を延長戦に持ち込む犠飛を放ち、11回には決勝のホームを踏んだ。ともに地味なトレードだったが、2人とも重要な戦力となり、ワールドシリーズの大舞台で輝いた

 中心選手のカイル・シュワバーはブロースキーの手腕に「我々はチャンピオンシップを勝つために戦っている。うちには最高のフロントがいて、オーナーもコーチも素晴らしい。すでに2度優勝に近いところまで行った。次は勝ちたい。そのためには何でもしてくれるだろう」と絶大な信頼を置く。現在のフィリーズに必要なのは特定の役割に特化してチームの成功を支える「ロールプレーヤー」とブルペンの厚み。「小さなことにフォーカスしている」と話すらつ腕は、今回は誰を見つけてくるか興味深い。

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