×

大阪桐蔭 背番号16の森が2年ぶりの夏へ導いた 熱投138球、圧巻15K「一人で最後まで…」

2024年07月29日 06:30

野球

大阪桐蔭 背番号16の森が2年ぶりの夏へ導いた 熱投138球、圧巻15K「一人で最後まで…」
<東海大大阪仰星・大阪桐蔭>優勝を決め歓喜の輪を作る完投勝利の森(中央)ら大阪桐蔭ナイン(撮影・後藤 正志) Photo By スポニチ
 【第106回全国高校野球選手権大阪大会決勝   大阪桐蔭3ー1東海大大阪仰星 ( 2024年7月28日    大阪シティ信金 )】 大阪桐蔭が東海大大阪仰星を3―1で下し、2年ぶり13度目の出場を決めた。来秋ドラフト上位候補に挙がる最速151キロ右腕の森陽樹(2年)が15奪三振の1失点完投で優勝に導いた。
 大一番で、殻を破った。決勝の先発を託されたのは最速154キロ右腕のエース・平嶋桂知(かいち=3年)ではなく、背番号16の森だった。「今日勝ったら甲子園に行ける。一人で最後まで投げ切るつもりでした」。積み上げた奪三振は5者連続を含む15個。継投を想定していた西谷浩一監督に「交代させる場面がなかった」と言わしめ、138球を投げ抜いた。公式戦初完投を達成し、歓喜の輪の中で笑顔がはじけた。

 1年秋で最速151キロを計測し、同校にまたも現れた逸材の一人として注目を集めた。しかし8強入りした今春選抜での登板は1試合4イニング。突出した潜在能力を発揮しきれず、今夏の背番号は選抜での「14」から「16」に下がった。西谷監督に毎日提出する野球ノートには「自分の思っている背番号が取れないです」と書き込んだこともある。才能を認めるからこそ指揮官は、夏本番を前に「この大会で背番号を変えろ」と奮起を促した。

 秘めたる力を発揮すべく、同校伝統の走り込みに精を出した。春季大会後には外野ポール間走を1日最大30本消化し「下半身が安定してきた」と実感。球に力が伝わるようになった。最高気温36度のしゃく熱の決勝でも、最速150キロを連発。3―1の8回2死二、三塁では8球連続直球を選択して遊ゴロに仕留めた。このうなりを上げた剛球が、覚醒の時を迎えた証だった。

 今回が同校18度目の夏の大阪大会決勝。過去に大一番の先発を任された下級生投手は11年藤浪晋太郎、22年前田悠伍らドラフト1位でプロ入りした逸材が並ぶ。彼らを育ててきた西谷監督は、森についても「一本立ちできずにいたけど、これから先、期待しています」と成長を認めた。

 その森の誕生日は、なんと100年前に甲子園球場が開場した8月1日。進化を遂げた「甲子園の申し子」が100周年を迎える聖地で、100回大会の18年以来となる夏日本一を目指す。 (河合 洋介)

 ○…「4番・左翼」で先発出場した大阪桐蔭・徳丸快晴(3年)が3安打で打線をけん引した。2回先頭では右翼線への二塁打を放って先制の生還を果たし、「1打席目から自分のスイングができました」とうなずいた。前日27日の履正社との準決勝でも2安打1打点をマークするなど4番の役割を全う。3学年上の兄・天晴(てんせい)は、智弁和歌山(和歌山)で21年夏の甲子園大会を制しており、「ここで満足せず甲子園でも打ってチームの勝利に貢献したいです」と、兄と同じ高校最後の夏での日本一へ弾みをつけた。

おすすめテーマ

2024年07月29日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム