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【スポニチスカウト部(31)】国学院大・坂口翔颯 復活へ自信 東都No.1右腕 

2024年10月08日 08:00

野球

【スポニチスカウト部(31)】国学院大・坂口翔颯 復活へ自信 東都No.1右腕 
最速153キロを誇る国学院大・坂口
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手の素顔を紹介する。第32回は国学院大の最速153キロ右腕・坂口翔颯投手(4年)。戦国東都が誇るNo・1右腕のプロへの思いを聞いた。
 こんなラストは想像していなかった。今春痛めた右肘の影響で、大学最後のシーズンはまだ登板がない。坂口は、秋季リーグ戦最終盤の復帰へ向け調整を続けている。アピールの場は限りなく少ない。それでも「今までやってきた自信はある。プロに行ける可能性がすぐそこまであるなら逃げ道をつくらず、覚悟を決めて一本に絞った」とプロ入りへの強い思いを口にした。

 戦国東都で順調に成長を続けてきた。1年春にリーグ戦デビューを果たし、昨秋まで積み上げた勝利数は10。昨年のドラフトで競合の末に1位で西武入りした左腕・武内が1学年先輩だったが、第1戦で登板することも多かった。

 だが最上級生になり「自分が優勝させる」と臨んだ最後の1年は、いばらの道となった。春は5試合に登板したがまさかの0勝。その後、リーグ戦中に痛めた肘の影響で思うような練習を積めなかった。リーグ戦への復帰は間に合っても最終盤。最終週は24日のドラフト会議の直前、22、23日に東農大と対戦予定だが、必ず戻ると決めているからこそ「抑える自信はある」と力を込める。

 一方で、新たな気付きもあった。リハビリのためメンバー以外と練習することが多くなり「自分の練習に取り組む姿を下級生に示すことも大切なんだなと思った」。それまで関わることの少なかった下級生の投手と話すことが増えたことで、積極的に助言することも増えた。エースとしてチームのトップを走り続けてきた経験を残すために「ピッチャーはどういう人間であるべきか。キャッチャー以外は自分の背中を見ているので、責任感を持ってマウンドに立ち続けてほしい」と自身の経験を惜しみなく伝えている。

 すでにブルペン入りするまでに状態は良くなり、あとは復帰の時を待つだけ。「家族や仲間にまずは元気に投げられる姿を見せたい」。その先に、夢の舞台が続いていると信じている。 (村井 樹)

 ≪「おかげさまで」恩師の教え胸に≫坂口にはマウンドで大切にしている言葉がある。報徳学園(兵庫)時代、大角健二監督から教わった「おかげさまで」だ。今でもグラブには必ず刺しゅうを入れるほどで「どれだけ結果を出しても、それは自分の力だけじゃない。そういう時に周りの人に“おかげさまで”と言える人になりなさいという教えだと思う」と言葉の意味を理解している。最後の秋に使用予定の黒のグラブにも当然、入っており「早く使いたいです」と復帰の日を心待ちにしている。

 ☆球歴 昆陽里小1年から野球を始めた。報徳学園では1年春に初めてベンチ入り。国学院大では1年春にリーグ戦デビュー。憧れの選手は中日・柳。

 【記者フリートーク】兵庫県出身の坂口にとって甲子園は身近な存在であり、再び戻らなければいけない場所でもある。
 報徳学園1年だった18年、チームは甲子園出場を決めた。坂口はベンチ外だったが大角監督から「いつかはここでプレーするんだぞ」とボールボーイに指名された。さらに、試合開始前にはロジンをマウンドに持っていく役目も担った。「ラインの中は走らないように」と言われ、かみしめるように歩くと想像以上の観客の多さに胸が高鳴った。この時間を無駄にしたくないと感じ「マウンドの雰囲気を味わった」と、グラウンドで一番高い場所に少しだけ立ち止まった。甲子園に行ったのはそれが最後。「次はプロになってあそこに立つ」と決めている。(アマチュア野球担当・村井 樹)
 

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