井岡 通過点V3 3階級制覇へ「歴史に自分の名前刻みたい」

2014年01月01日 05:30

格闘技

井岡 通過点V3 3階級制覇へ「歴史に自分の名前刻みたい」
1回、右ストレートをアルバラード(左)に見舞う井岡
プロボクシング WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦 王者・井岡一翔 判定3―0 同級4位フェリックス・アルバラード
(12月31日 大阪・ボディメーカーコロシアム)
 2014年は3階級制覇だ。WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ(スポニチ後援)は、王者の井岡一翔(24=井岡)が3―0の判定で同級4位の挑戦者アルバラードを下し、3度目の防衛に成功した。KOこそ逃したものの、激闘を制して現級を卒業、いよいよフライ級に進出する。

 喝采を浴びての勝利インタビュー。井岡はリング上で観客の声援に感謝した。「アルバラードは強敵だと分かっていたが、みなさんの声援が力になりました。2013年を勝利で締めくくり、14年につなげることができました。まだまだ僕も負けずに頑張ります」。友人のプロ野球選手、阪神の西岡剛が応援に駆けつけたこともあり、阪神の選手がホームランを打ったときなどに行う、両手を天に上げる歓喜のパフォーマンス「グラティ」であいさつを締めた。

 左右の大振りで距離を詰める挑戦者を真っ向から迎撃。「足を使って距離を開けると、どんどん出られて見栄えが悪い。くっついて勝負する」とブロックや上体を上下させながらかわすダッキングの防御から、そのまま反撃。左ボディーを軸に、的確にパンチをヒットさせペースをつかんだ。4回以降はダッキングと足さばきだけで相手に空を切らせ、場内を沸かせた。最終12回はガードも忘れてリング中央で激しい打ち合い。「1%でも確率があればKOを狙いにいった」。思いは実らなかったが、文句なしの完勝。ジャッジのうち2人は10、9点差をつけた。

 興国高時代から切磋琢磨(せっさたくま)する同志の存在が励みになった。井岡、宮崎に次ぐ「第3の男」としてライト級の中谷正義が11日に日本王座に挑戦、勝てば世界挑戦への道が開ける。「しんどい時でも横を見れば一緒に走る仲間がいる。だから頑張れる」。“チーム井岡”の看板を背負う責任感が、前に進む原動力となっている。

 今年はいよいよ3階級制覇に乗り出す。「2013年も、まだ通過点。歴史の1ページ、1ページに自分の名前を刻んでいきたい」。4階級、5階級と日本で誰も達成していない偉業へ、王者は歩みを止めない。

 ◆井岡 一翔(いおか・かずと)1989年(平元)3月24日、堺市出身の24歳。中学から競技を始め興国高で6冠達成。09年4月プロデビュー。11年2月にWBC世界ミニマム級王者となり、日本選手最短のプロ7戦目で世界王座獲得。12年6月にWBC、WBA同級統一戦を制して日本人初の複数団体統一王者となる。同年12月にWBAライトフライ級王者となり2階級制覇を達成。1メートル65。右ボクサーファイター。

 ▽井岡―アルバラードVTR 井岡は1回から接近戦での激しい打ち合いに応じ、左右の強烈なフックなどを浴びせて2回には早くも挑戦者の左目を腫らした。顔面、ボディーを的確に打ち分け、相手の強打を巧みな身のこなしでかわす。スピードと技術で上回り、終始優勢に試合を進めた。アルバラードは最後まで手を出し続けたが、大振りも目立ち、有効打が少なかった。

おすすめテーマ

2014年01月01日のニュース

特集

格闘技のランキング

【楽天】オススメアイテム