三浦Ｖ２！ボンバーさく裂９回ＴＫＯ　内山にリベンジ見えた

2014年01月01日 05:30

格闘技

三浦Ｖ２！ボンバーさく裂９回ＴＫＯ　内山にリベンジ見えた — ３回、ハルドン（左）にパンチを見舞う三浦

プロボクシング　ＷＢＣ世界スーパーフェザー級タイトルマッチ１２回戦王者・三浦隆司　ＴＫＯ９回５５秒　ダンテ・ハルドン

（12月31日東京・大田区総合体育館）
　三浦のパンチの威力に、ＫＯシーンではハルドンのマウスピースが吹っ飛んだ。５回に連打でダウンを奪い、８回はスリップと判定されたものの、７連打で挑戦者が崩れ落ちた。採点も全てフルマークの完勝。「ＫＯで勝ててうれしい。最高の大みそかになった」。

　抱き上げられた２歳の長男・武元（たけはる）君が「ボンバー！」と叫ぶ。「前にリングに上げた時は大泣きした。今回は自分から言うと約束してくれた」。愛称を呼ばれ、父は柔らかく笑った。

　序盤から強烈なプレッシャーをかけて前進し、“ボンバーレフト”を打ち込んだ。「長身で狙いやすい」（葛西裕一トレーナー）挑戦者を何度もくの字にしたボディーは作戦通り。だが、作戦以上のこともやってのけた。ハルドンのフックを警戒したセコンドが、あえて指示しなかった左アッパー。必死に守りを固める相手のガードをこじ開け、失速させた。「指示にプラスアルファで動いてくれる。凄く頼もしい」と葛西トレーナー。横浜光ジムから帝拳ジムへ移籍して２年半。前にかかりすぎていた重心を中央へ移すなど、「世界基準」を目指した練習の成果が表れてきている。

　全ては、１１年１月に世界初挑戦でダウンを奪いながらも８回ＴＫＯ負けした内山に雪辱するためにやってきたことだ。帝拳ジムの本田明彦会長は「今年はキツい試合を３戦やったのでゆっくり休ませたい」と話しており、夏にも統一戦という形で再戦が実現する。この日は出さなかったパンチがあるという三浦は、ライバルのＶ８戦を見守り「試合運びがうまい。いずれやりたい」と闘志をたぎらせた。

　昨年は１月に父・政司さん（享年５８）を亡くし、４月に悲願の世界王者となり、８月には敵地で初防衛に成功。激動と充実の一年を送った男にとって、リベンジの１４年が始まる。

　◆三浦　隆司（みうら・たかし）１９８４年（昭５９）５月１４日、秋田県三種町生まれ。金足農卒。横浜光ジムから０３年プロデビュー。１１年帝拳ジム移籍。１３年４月に２度目の世界挑戦で、ＷＢＣ世界スーパーフェザー級王座を獲得。家族は夫人と長男。日本フェザー級王座を２度防衛した三政直は叔父。１メートル７０。左ボクサーファイター。

　▽三浦―ハルドンＶＴＲ　三浦がボディーブローを中心に攻めて主導権を握った。１回から積極的に間合いを詰め、５回に連打でたたみ掛けて最初のダウンを奪った。その後も何度かコーナーへ追い込むなど圧倒し、９回に左右の連打で２度目のダウンを奪うと主審が試合を止めた。ハルドンは序盤から腹への攻撃を嫌がり、反撃も大振りで有効打は少なかった。