【徳山昌守の目】一翔の右カウンターさらに磨き
2016年01月01日 16:44
格闘技
一翔は堂々としていた。最近では一番の出来だった。左ジャブ、左右ボディー、そして右カウンター。その長所が全部出た。一方、昨年4月、一翔に奪われるまで8度防衛した名王者なのに今回、そう見えなかった。目立ったのは派手だが食っても効かない大振りだけ。これだけでは選択肢の多い一翔を上回れない。
プレッシャーのかけ方に成長を見た。長所の一つ、相手ジャブに合わせた右カウンターが特に素晴らしかった。8カ月の伸びしろが違った。一翔はミニマム級からスタートして前回の対戦が3階級目。9月に初防衛し、フライ級の体づくりが完成し、自信も付けた。
高山は距離感が悪かった。相手にパンチを当て、相手のパンチを外すために大事な能力が衰えたのかと思った。つまり過去38戦のダメージの蓄積か、と。しかし試合後、スパーリングを全く消化できなかったと聞き、納得した。私は入門時「サンドバッグを叩く時間があるなら1回でもスパーをしろ」と教わった。実戦練習の重要性だ。気の毒だが潮時かもしれない。(元WBC世界スーパーフライ級王者)
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