「キラー・カーン」小沢さん 急死の29日は店で恒例ゲームに笑顔で参加も特等席で急変…常連客は沈痛

2023年12月30日 19:35

格闘技

「キラー・カーン」小沢さん 急死の29日は店で恒例ゲームに笑顔で参加も特等席で急変…常連客は沈痛
「キラー・カーン」のリングネームで活躍した元プロレスラーの小沢正志さん Photo By スポニチ
 キラー・カーンのリングネームで活躍した元プロレスラーの小沢正志(おざわ・まさし)さんが29日に死去したことが30日、分かった。76歳。新潟県出身。
 小沢さんは、29日も東京・西新宿で自身が経営する「カンちゃんの人情酒場」でいつも通り接客。しかし、仕事中に体調が急変し救急搬送されたが、意識が戻ることはなく帰らぬ人となった。死因は「動脈破裂」。

 店の関係者によると、お店では午後8時にお客さんが10人以上いると2人にサイン入りグッズが当たるじゃんけん大会を開催しており、亡くなった29日も笑顔で参加していた。その後、8時半ごろに〝特等席〟で休んでいるうちに頭が下がり、机に伏せるような状態となったため、病院へ救急搬送された。

 小沢さんは29日に自身のX(旧ツイッター)に「今年の #カンちゃんの人情酒場もあと2日!今年最後の #柚子追加しました。大人気生柚子サワーが飲めるのもあとわずかです。17:00オープン!お待ちしております」と笑顔の写真を添えて投稿していた。

 「カンちゃんの人情酒場」の関係者は「普段はお店の接客を担当。5席あるカウンターの入口から近い2つめの席を〝特等席〟として、そこに座りながらお客さんの注文を聞いたりしていた」と小沢さんの日常を明かす。そして、喋ることが大好きな小沢さんは、お客さんから話しかけられると“待ってました!”と言わんばかりにマシンガントークをしていた。そのうち、お客さんが飽きてしまうと「最後まで聞け!」とツッコむほどのおしゃべり好きだった。また、05年に「ふるさと真っ赤っか」でデビューしているほどの歌がうまいことでも有名。これまで10店舗のお店を経営してきたが「料理を出して、歌えるところにしたかった」というこだわりもあった。現在のお店にもカラオケを設置しており、レパートリーは200曲以上で「メニューは覚えないのに、歌詞は完璧に覚えていた」というほど。十八番は親交のあった尾崎豊さんの「I LOVE YOU」だった。

 お酒好きで「一夜で二升飲み干した」というエピソードを周りに話していた。しかし最近は量を減らしており、仕事終わりに従業員と一緒に飲んだり、「家に帰って缶ビール1つぐらい飲むのがいいんだよ」と笑顔で話していたという。しかし、22年3月にS状結腸がんを公表し手術を行うなどしたこともあり、最近は飲酒をしていなかった。

 1週間前の22日に一緒に忘年会をしたという常連客の1人は「とても楽しくお酒を飲んで元気な姿を見せていた。突然すぎて実感がない」と沈痛な面持ちで言葉を絞り出していた。

 小沢さんは1947年(昭22)3月6日生まれ、新潟県西蒲原郡吉田町(現燕市)出身。春日野部屋所属の元大相撲力士で四股名は越錦(こしにしき)。最高位は幕下40枚目だった。力士引退後にプロレスラーに転身。悪役レスラー「キラー・カーン」としてマット界で活躍した。日本人離れした体を武器に、全盛時はモンゴリアン・ギミックの大型ヒールとして国内外で活躍。1970年代末から1980年代にかけて、WWF(現WWE)をはじめアメリカやカナダの主要マットで実績を築くなど、国際的な成功を収めた数少ない日本人レスラーの一人。

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