「ザンボット3」主演に大山さん起用 「ガンダム」富野監督「声がしっかりして、演技の幅の広い人だった」

2024年10月12日 04:30

芸能

「ザンボット3」主演に大山さん起用 「ガンダム」富野監督「声がしっかりして、演技の幅の広い人だった」
富野由悠季さん Photo By スポニチ
 【大山のぶ代さん死去 】 9月29日に老衰のために90歳で死去した大山(本名・山下羨代=やました・のぶよ)さんが主人公の声を務めたロボットアニメ「無敵超人ザンボット3」の富野由悠季監督が「私の声優起用の基準になった方」としのんだ。
 「ザンボット3」は、富野さんが総監督を務めた「機動戦士ガンダム」シリーズの原点ともいえる作品。大山さんは少年主人公の神勝平(じんかっぺい)の声を担当した。

 富野さんが初めて原作から手掛けた監督作。主要キャラクターが次々に死んでいくなど凄惨な展開もあり、オーディションに大山さんが訪れたことに「女性が本当にやってくれるのか」と驚いたという。だが、作品トップカットのアフレコに臨む大山さんを見て「当時アニメ声優を離れていて“久しぶり”と話していたが、この人だと思いOKを出した」と振り返る。

 現場での大山さんは「舞台出身の役者さんの凄みを感じました。発声は確かで演技の幅も広かった。役者としての根本がしっかりしていると感じた。演出は途中から任せていた感じでした」と今も高く評価している。

 2年後に放送開始の「ドラえもん」で大きく違うキャラを演じても「全く驚かなかった。今の若い人たちは、ドラえもんの印象が強いかもしれないが、とても幅の広い演技ができる方です」と強調した。

 大山さんの起用は、その後の監督業での声優起用に大きな影響をもたらしたという。「最初に出会ってしまったのが大山さんだから、言い方は変だが、その後ずっと“背後霊”のように私について回った。でもそれが基本にあるから、ガンダムのような作品を作り続けられたんだと思います」と、ハードなSFの世界観を支える声優たちを選び続けられたことに感謝した。

 訃報はテレビで知ったといい「テロップを見た瞬間はショックでしたが、90歳という年齢を見て、あの時代の仲間たちのことを考えると順番通りだから仕方ないと納得もできた。私も近々かもしれません」と、共に時代を作ったレジェンドと過ごした日々を思い出すように話した。

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