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声帯も危なかった甲状腺がん闘病生活 心が折れそうな時に支えになった仁鶴師匠の言葉

2021年09月01日 05:30

芸能

声帯も危なかった甲状腺がん闘病生活 心が折れそうな時に支えになった仁鶴師匠の言葉
花札は私のお守り。大切に残しています Photo By 提供写真
 2012年12月25日、私はステージ4の甲状腺がんの手術を受けました。最初に受診した専門病院では、気管切開が必要で、声帯も危ういとのことでしたが、ツテを頼って大阪警察病院の名医、鳥正幸先生に執刀をお願いして、転移が始まっていたがん細胞をすべて取り除き、声帯も残していただきました。
 18日間の入院生活を終えて帰宅すると、笑福亭仁鶴師匠からお見舞いのお花が届いたのです。お礼の電話を入れますと「声が残って良かった。ええ声や。良かった、良かった」と何十回と繰り返して言うてくれはり、ご自身の超多忙なる若き時代に声帯を痛めて、仕事をセーブせざるを得なかった時の悔しさを語りながらも、「菊水丸君の手術前の不安な気持ちを考えたら、わしのは使い過ぎやったから比べもんにはならんけど、ほんまに良かった」と励ましてくださいました。

 療養中、首筋を真横に切ったキズの痛さに心が折れそうになった時、仁鶴師匠の言葉を思い出して乗り越えられたと感謝しています。笑福亭仁鶴師匠のご冥福を心よりお祈り申し上げます。(河内家菊水丸)

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