【競輪 小野祐一コラム】山崎芳仁 長男・歩夢が本格デビュー目前 父だからできる“愛のスパルタ”

2024年06月27日 04:30

競輪

【競輪 小野祐一コラム】山崎芳仁 長男・歩夢が本格デビュー目前 父だからできる“愛のスパルタ”
長男・歩夢の本格デビューを心待ちにしている山崎芳仁 Photo By スポニチ
 G1・9勝を挙げ、一時代を築いた山崎芳仁(45=福島・88期)に気になる話題を振ると、それまでの優しいまなざしから厳しい師匠の顔つきになった。
 「競輪選手らしい練習をさせていますよ」

 山崎の長男・歩夢(19=福島・125期)が、7月から本格デビューを迎える。気になるのは、その指導方針だ。普段はマイペースで自然体の山崎だが、愛息の話になると一点を見つめてこう語った。

 「俺の息子だし、時代がどうあれ根性が大事。乗り込みやスピード練習とバランス良くやらせている。とにかく量を多めにやらせている」

 競輪界に“革命”をもたらした山崎。今では禁止となった4倍以上の大ギアを乗りこなし数々のタイトルを積み重ねた。

 栄光はもちろんハードな練習量に裏打ちされている。

 当時は珍しい「二勤一休」の練習スタイルを導入。2日練習して1日休むサイクルで、練習日は限界まで己を追い込んだ。

 若き日の猛練習なくして選手としての土台なし。その思いで息子にも自身がこなした練習メニューを課す。冒頭の「競輪選手らしい練習」とは「質より量」を端的に表現している。

 「(脚力の)強さよりも気持ちを鍛える意味で、今しかできないことをやらせている。今のところ、ちゃんと俺の言うことを聞いていますよ。デビューしたら分かりませんけどね(笑い)」

 温厚な山崎のことだ。きっと“スパルタ教育”の中にも愛情がたっぷり込められている練習なのだろう。

 幕を開けた父子鷹のストーリー。山崎が取材の最後に締めくくった「夢を持って頑張ってくれれば」の言葉には父親としてのエールが込められていた。

 ◇小野 祐一(おの・ゆういち)1983年(昭58)10月26日生まれ、秋田県出身の40歳。06年スポニチ入社。予想では調子、ラインの結束力を重視。ほのぼのしたエピソードが聞ける親子やきょうだいレーサーの取材が大好き。

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