内村 お守りはクマ 日本で見守る家族の存在を力に悲願団体制覇へ
2016年08月06日 09:00
五輪
12年ロンドン五輪から4年。キングは夫となり、父となった。12年11月11日に千穂さんと結婚。3歳の長女、1歳の次女と遊ぶ時間が、体操漬けの生活で貴重な息抜きの時間だ。昨年の世界選手権(英国・グラスゴー)は応援に来た家族の前で37年ぶりに団体を制覇し、個人総合6連覇、種目別・鉄棒も合わせて3冠を達成。治安や移動時間を考慮し、リオに千穂さん、2人の娘は来られないが、家族を身近に感じられる。愛のこもったアイテムを見るたびに。
内村はこれまで、千穂さんの手作りのぬいぐるみをバッグに付けて世界大会を戦ってきた。妻はそれほど手芸が得意なわけではない。子供が寝静まってからの時間を利用して少しずつ手を加え、完成には約1カ月を要した。込められたのは、「家族も一緒に戦っているよ」という思い。手渡してくれた長女は言った。「おりんぴっくがんばってね」。今大会の試合用バッグにもぬいぐるみを付け、地球の裏側から声援を送ってくれる家族とともに、夢舞台に立つ。
個人総合の五輪連覇は頭にない。黄金に彩られた競技生活で唯一、欠けているのが団体の五輪金メダルだ。04年アテネ、日本の戴冠シーンに心を奪われてから12年がたった。「ずっと、この目標を追い続けてきた。心強い仲間がいる。そんなに、難しいことじゃない」。家族のため、体操ニッポンのために。キングが圧倒的なパフォーマンスを見せた時、間違いなく日はまた昇る。
▼12年ロンドン五輪の団体総合予選 内村は1種目目の鉄棒の離れ技で落下すると、3種目目のあん馬でも失敗。予選トップ通過には遠く及ばずに5位。個人総合でもまさかの9位で決勝に進んだ
▼団体総合の試合形式 予選はメンバー5人中4人が演技し、上位3人の得点を合計し、8チームが決勝に進出する。決勝は5人中3人が演技し、全ての得点を合計するためミスが許されない。