【高岡寿成の目】男子マラソン“メダルを狙う”意識の低さ

2016年08月23日 08:33

五輪

【高岡寿成の目】男子マラソン“メダルを狙う”意識の低さ
22キロ付近を力走する佐々木悟(手前)と石川末広
リオデジャネイロ五輪陸上・男子マラソン
(8月21日 サンボドロモ発着)
 佐々木は27キロ付近の給水ポイントまでトップ集団の中でよく粘ったが、ペースの変化についていけなかった。これは最近の日本男子に共通した課題ではある。だが、何より残念に思うのは3選手ともに「メダルを狙う」という意識が低かったように見えたことだ。

 確かに世界の男子マラソンは2時間2分台に突入した。だが、日本はそれに圧倒されているだけのように感じる。「粘って拾って」というレース展開ではなく、やはり勝負してこその五輪。残念ながら、体力や技術面だけでなく心理面でも勝負できる状況になっていない。

 ペース変化への対応は練習でも取り組んでいると思うが、実際にレースで体感するに勝る経験はない。ベースとなる基礎練習は大前提だが、海外のレースに積極的に参加する方法論はあっていいのではないか。次は東京。指導者も知恵を絞る必要がある一方で、「メダルのイメージ」を描ける強いメンタルを持つ選手の登場にも期待したい。(男子マラソン日本記録保持者、カネボウ陸上部監督)

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