“J最多”9人連続PK失敗…イニエスタ1冠獲得も「クレージーな展開」

2020年02月09日 05:30

サッカー

“J最多”9人連続PK失敗…イニエスタ1冠獲得も「クレージーな展開」
フジゼロックススーパーカップを制し喜ぶ神戸イレブン(撮影・西尾 大助) Photo By スポニチ
 【富士ゼロックス・スーパー杯   神戸3-3(PK3―2)横浜 ( 2020年2月8日    埼玉 )】 神戸がPK戦の末に横浜を下して今季1冠目を獲得した。元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(35)が先制点をアシストした90分間では3―3と決着がつかず、PK戦に突入。Jリーグの主管大会では最多となる9人連続失敗という珍事が起きた中、最後は元日本代表MF山口蛍(29)が決めて3―2で勝利した。
 取りつかれたようにどちらも外し続け、スタジアムは異様な空気に包まれる。90分間では3―3と決着がつかず、突入したPK戦。3人目以降、両チームともに決められず、Jリーグの主管大会では最多となる9人連続失敗。最後は神戸の7人目として登場した山口が終止符を打った。

 「PK戦なんで(勝ったのは)運もあると思う。まあ、さすがにあんな外すとは思わなかったけど…」と山口は試合後、正直な胸の内を明かした。

 神戸はフィンク監督の指示や立候補で5人目までを決めていた。3人目の小川と4人目の西、そして決めれば終わる5人目の大崎と6人目のフェルマーレンも失敗。「どこかのタイミングで行こうと思っていた」。7人目を志願した山口がゴール右へ冷静に沈めた。

 前代未聞のPK戦に「クレージーな展開だった」と元スペイン代表MFイニエスタも笑った。1人目のキッカーとして成功しただけでなく、90分間を通しても存在感を発揮。前半27分に先制点をアシストし、後半24分の3点目にも絡んだ。前半23分には相手DFとにらみ合い一触即発の状態になるなど、今季最初のタイトルをつかむために主将は本気だった。

 「自分たちの勝利で終えられて良かった。しっかりとケアをして自分のベストのプレーを見せたいし、今シーズンは素晴らしい一年を過ごすことができると思う」。元日の天皇杯優勝で昨季を締めくくってから約1カ月、始動から2週間あまり。チームとしても個人としても100%の状態からほど遠くても、目標とする5冠獲得へと好スタートを切った。

 《PK9人連続失敗の確率は約14万分の1》 PK戦開始5人目から、両チーム合わせて9人連続で失敗する珍事。Jリーグ主管公式戦のPK戦での連続失敗は、93年第1SのV川崎0―0横浜F(PK3―1)でV川崎の三浦(現横浜FC)を含む5人が過去最多で、これを大きく上回った。失敗9は、95年第1Sの名古屋0―0浦和(PK10―9)の最多に並んだ。なお、Jリーグ主管公式戦のPK戦の通算成功率は73・3%。9人が連続で失敗する確率は、実に14万4154分の1となる。

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