【ピッチ外のスペシャリスト】選手の体に“最適な選択”シビアに見つめるJ2京都の職人トレーナー
2021年06月16日 12:36
サッカー
「難しいのは、われわれがコーチングスタッフに情報を提供することによって、選手に損得が出てくること」。例えば、ベンチ入りができるかどうかの選手が筋肉系の違和感を訴える。監督にそのまま伝えると出場機会を奪う可能性がある。逆に選手の言い分だけを通してしまうと、負傷につながるケースもある。
岩城氏は「筋肉の張りや足首の痛みなどは個々で違うのもあり、グレーな部分が多い。監督にどう伝えるかは悩みます」という。だが「自分の中で白黒(出場可否)は決める」と判断を丸投げすることはしない。長年の経験から(1)ケガの程度を判断(2)グレーゾーンの場合は負傷リスクを想定(3)選手本人を呼んで患部の状態確認、顔色や言葉遣いなど意思を確認する。3ステップを経た上で出場可否を監督に伝えるようにしている。
04年から15年まで所属したG大阪で、当時の西野朗監督(現タイ代表監督)に言われた言葉を胸に刻む。「全治4週間と言われて4週間で治すのは当然。最善の方法で、3週間半で復帰させるのがトレーナーの妙味じゃないか」――。京都が天皇杯2回戦で今治に3―1で快勝した9日。勝利に貢献したある選手から「岩城さんのおかげです」と感謝されたという。少し痛みを抱えていたが90分間プレーでき、痛みのぶり返しもない。それがうれしかった。
負傷リスクを考慮しつつ、出場できる可能性を高める。これからも常に選手の体に耳を傾け、一番良い選択をしていく。
◇岩城 孝次(いわき・こうじ)1965年(昭40)4月13日生まれ、大阪府出身の56歳。北陽(現・関大北陽)ではGKとして活躍。83年にG大阪の前身、松下電器サッカー部に入部し、86年に引退。トレーナー業を志し、92年に松下電器の女子サッカーチームでキャリアをスタート。94年に京都のトレーナーに着任した。C大阪(01~03年)、G大阪(04~15年)を経て16年に京都にチーフトレーナーとして復帰。
おすすめテーマ
2021年06月16日のニュース
特集
サッカーのランキング
-
元サッカー日本代表の中沢佑二氏 家庭円満の“秘訣”は…妻に頭上がらず「妻は都会を愛してるので」
-
フロンターレが強いのは国内だけじゃない!小林悠「強い気持ちで」ACLでも不敗継続の誓い
-
なでしこ高倉監督 東京五輪代表、サプライズの可能性も!新戦力台頭でうれしい悲鳴
-
【ピッチ外のスペシャリスト】選手の体に“最適な選択”シビアに見つめるJ2京都の職人トレーナー
-
サッカーの南米選手権で52人が陽性反応 無防備な?ブラジルでの開催が裏目
-
フランス ドイツとの強豪対決を制し白星発進
-
ポルトガルのC・ロナウドが2発!プラティニかわして単独最多の欧州選手権11得点
-
オナイウ 超集中6分間でハットトリック!大迫代役で大暴れ「どんどん進んでいけるようにしたい」
-
小川 ピンクの髪でオナイウのハットお膳立てピンポイントクロス「アシストを付けられて良かった」
-
坂元 国際Aマッチ初先発でアシスト「満足はしていない」
-
浅野 後半に冷静ダメ押し弾!休まず足を動かし続けた「動けなくなるまでプレーしようと思っていた」
-
佐々木 国際Aマッチ12戦目で初得点「個人としては生き残りが懸かっている」
-
川辺 猛アピール「自分が生き残るためには結果が必要だった」
-
森保監督 コンセプトの浸透に手応え 最終予選へ「悔しさは晴らしたい」
-
中田浩二氏 最終予選へ選手適性見えた
-
森保監督 U24監督へ移行、22日に代表選考“サプライズ”も
-
アルゼンチン メッシFK弾もドロー悔幕、VAR判定でPK献上
-
ブラジル代表・ネイマール OA五輪出場消滅!所属PSG派遣拒否
-
川崎F・大島、ケガから完全合流 チームにとっては大きな戦力の復帰
-
横浜FC 天皇杯2回戦でカズがベンチ入り、早川監督「コンディションは良い」
-
チェコ シック2得点で快勝!