【記者フリートーク】カズが続ける験担ぎが一つだけあった。絶対に「9番」だけは身に着けないこと。鈴鹿加入後の練習用ビブスでも空いていれば11番、なければまれに他番号でプレーすることもあるが、9番だけは拒否する。「セリエAのデビュー戦が9番だったんだよ。もうケガはしないようにね」。
ジェノア時代の94年9月、デビュー戦となったACミラン戦でDFバレージと激突し鼻骨骨折、眼窩(がんか)系神経損傷の大ケガを負った。カズといえばケガに強く、体にメスを入れたのはこの時だけ。無事これ名馬。あれから28年がたち、JFLで迎えたデビュー戦。セリエAでの苦い経験が、55歳のキングにも通じている。(カズ担当・牧野 真治)