カズ次男、格闘家の孝太が独占手記でエール 父であることの証明がゴールであり、カズダンス
2022年03月14日 05:30
サッカー
55歳の挑戦。いろいろ言う人もいますが、父の情熱と努力を知っている分、個人的にはもっと評価されるべきだと思う。経験値で見せられる部分、年齢を重ねても衰えず、むしろ成長する部分だってある。カテゴリーは関係ない。父であることの証明がゴールであり、カズダンスなんです。いつもみんなをワクワクさせる姿を見せてほしい。
僕の記憶にあるプレーヤーとしての父は神戸時代(01~05年)から。物心ついた時には自慢の父でした。格闘技を始めたのもムハマド・アリが好きな父の影響ですし、映画「男はつらいよ」を好きになったのも、ある時、父の部屋に行ったら「寅さん」を見ながら爆笑していて、そこまで笑うのなら見てみようかなと。案の定、はまってしまい、その後は全部見ちゃいました。
昨年、横浜FCの試合帰りの車で一緒になり、何話が好き?と聞かれました。「27話」と言ったら父も同じで、2人してマドンナ役の松坂慶子さんが奇麗だったねと。やっぱり親子ですね。先日は一緒に柴又にも出掛けました。ピッチ外の父は、兄と僕とまるで3兄弟。仲が良く、一緒にふざけて母に怒られたりもします。小さい頃、九九を教わると「3×3が9」と言うところを父は「サザンはオールスターズ」なんて言ったりして。母には「変なこと教えないで」と言われていました。
僕自身は大みそかに格闘技デビューし、初めて見られる側になりました。デビュー前に周囲の反応が気になってしまい、ネットなどのコメント欄を見ると、批判的な声、誹謗(ひぼう)中傷もありつらい気持ちになったこともあります。そんな時も父は「堂々としてろ」と言いました。実力と知名度が比例しない選手はいる。でも必ず見えないところで努力している。そういう人をバカにしてはいけないと思うよと。父もいろいろ言われることはある。でも世界中で批判されないスターなんていないと言います。ずっと父を見てきた分、響くものがありました。
高校1年のとき、初めて見た格闘技がRIZINで憧れを抱きました。僕はまだまだこれからですが、まず一試合ずつ勝つことを大事に、その先にあるものに挑戦したい。父は信念がブレなければいいと言います。海外の団体や練習にも興味はありますが、僕は日本で強くなって大好きなRIZINを大きくしたいという思いが強い。かつて父がJリーグの存在を大きくしたように。(総合格闘家)
≪流れる“キングの血”「今を頑張らないと」≫三浦孝太は座右の銘として「Now or Never(今しかない)」と記した。「(デビュー戦は)いい勝ち方ができましたが、これがつまらない試合で負けたりしていたらまた次だな、とはならないと思っていてスポーツでも勉強でも恋愛でも今を頑張らないと」と話す。強い覚悟とその一瞬を大切にするプロ意識は、やはりキングに通じるものがある。
◇三浦 孝太(みうら・こうた)2002年(平14)5月28日生まれ、神戸市出身の19歳。明星学園高卒業後、プロ格闘家を目指すために進学せず、シドニー五輪レスリング63キロ級代表で元総合格闘家の宮田和幸のBRAVEに入門。大みそかの「RIZIN・33」でデビューし、1ラウンドKO勝利。1メートル75、69キロ。