【レジェンズ・アイ】中村俊輔氏 三笘が象徴「堅守速攻」今後も日本の武器に
2022年12月07日 05:10
サッカー
2大会連続での決勝トーナメント進出を果たしたものの、またしても8強の壁。それでも俊輔氏は、大きな収穫を得た大会だったと振り返った。クロアチア戦もボール保持率で下回り、PK戦の末に敗れたが、それほど大きな差は感じなかったという。
「PKはしようがない。だから120分で決めないといけなかったと思う。スペイン、ドイツほどのチーム力の差もなかったから、決められたという感覚は、選手にはあったと思う。それでもクロアチアと対等にできるようになったのは、素晴らしいこと」
長い間日本の10番を背負った俊輔氏も、日本サッカーの進化を自分のことのように喜んだ。中でも、俊輔氏が進化したと指摘するのが、日本人の俊敏性、豊富な運動量を生かしたカウンター戦術の確立。
「W杯の戦い方としては今回、やっぱり堅守速攻という形が多かった。コスタリカ戦以外は、相手がボールを保持する時間が長かった。でもそれは、相手が極端に強いから。その中で、日本の良さを引き出せたし、W杯で“そういう戦い方はあり”だって、改めて示せたと思う」
特に俊輔氏が目を見張ったのが、ジョーカーとして相手に脅威を与えた三笘だ。クロアチアも徹底マークで対抗してきたという。
「3トップの右の選手が、(三笘の)ファーストディフェンダーになっていた。それで左のCB(谷口)がボールを持ったときに、(右MFの)モドリッチがプレッシャーに出ていく。もしサイドで抜かれても、右サイドバックがいるから、(インサイドハーフと右サイドバックの)2枚で見られていた」
三笘はクロアチア戦で得点に絡めなかったが、ドイツ、スペイン戦では決定機を演出。日本の堅守速攻の象徴的存在となった。俊輔氏も「その存在は大きかった」と絶賛した。一方で、課題も残ったという。
「今後は、コスタリカのような試合展開になったときに、どう崩すか。今までどっちかというと、対アジアではそういう戦いをやってきた。でもコスタリカ相手でも崩せなかった。だからそこが課題になる。アジアで戦っているうちに堅守速攻の戦い方の精度も高める。それができれば、今度はW杯で、ボールをもうちょっと保持して、相手を揺さぶりながら、ゴールを狙うことができると思う」
W杯アジア予選などボールを持てる対アジアとの戦いでも、意識的に堅守速攻に磨きをかけ、加えてポゼッションサッカーの精度を上げることができれば、チームはもう一段階ステップアップが可能というわけだ。レベルアップできる環境は、今大会で優勝経験国を撃破したことで、そろったとも指摘する。
「今後、強豪国も対戦を受けてくれるようになると思う。いろんな国が親善試合をやってくれると思う。W杯でこういうことが起きるから、“今のうち日本とやっておこう”みたいに。そうやっていろんな良い環境が回ってくるはず。世界の日本に対する見方も変わってくると思うし、Jリーグもサッカー協会も変わっていける」
収穫と課題がはっきりとした今大会。俊輔氏は「開幕戦でドイツと対戦して、ポゼッションどうこうじゃなくて、どんな相手だろうと、サッカーは分からないというのを示せた。世界もそうだけど、日本が一番、希望を持てたんじゃないかと思う。それは本当に大きいこと。日本サッカー界の今後の道しるべみたいなものができた大会だったと思う」と、日本サッカー界の明るい未来を口にした。
おすすめテーマ
サッカーの2022年12月07日のニュース
特集
サッカーのランキング
-
吉田麻也、会見で苦笑「試合後に泣きすぎて」体調不良 代表続行には前向き「サッカー選手である以上…」
-
森保監督 ファンの出迎えに驚きも感謝「我々の方が“ありがとう”という喜びの気持ちが大きい」
-
サッカー協会の田嶋会長「素直にブラボーと言える世の中になってほしい」
-
森保監督「こんなに喜んでいただけているとは…本当に幸せ」日本のフィーバーに驚き
-
「ブラボー!」絶叫の長友佑都 森保ジャパンを「最高のチームだった」 フォロワーからも感謝の声
-
森保ジャパンが帰国 成田空港「ブラボー!」の大フィーバー 閑散の出発時から一転
-
京都 J2町田のMF平戸太貴を完全移籍で獲得「何かを成し遂げられるように」
-
C大阪がタイトル奪還へ 福岡MFクルークスの獲得を発表「全身全霊をかけてプレーする」
-
韓国メディア 20年ぶり8強逃すも代表チーム称賛「絶えず相手を圧迫するサッカー」 日本の戦術にも言及
-
本田圭佑 サッカーから一転「日本経済の分析もしなあかんよね」ツイートにフォロワーは「急に」
-
川島永嗣「叩き続ければ必ず壊せると思っていた壁を崩すことはできなかった」4度目W杯に長文で思いつづる
-
W杯カタール大会2ゴールの堂安律「また強くなって戻ってきます」夢の舞台を振り返る
-
日本代表・森保一監督ら帰国の途 夜に記者会見
-
スペイン・エンリケ監督、PK戦用の選手投入も裏目「私の責任」「いい教訓になることを願う」
-
本田圭佑「やっぱスペインはあんまり強くなかった」モロッコに敗れた“ライバル”に言及
-
“ペペおじさん”凄すぎ!W杯決勝T最年長弾ポルトガル代表DFをネット絶賛「本当に39歳」「夢がある」
-
スペイン 4度目のPK戦敗退でW杯ワースト記録更新…ネット衝撃「PK1000本練習も全員失敗」
-
W杯初の8強進出「モロッコ」トレンド1位 スペイン戦勝利後の“胴上げ”が話題「日本だけじゃなかった」
-
柏 名古屋MF仙頭を獲得 中盤はどこでもプレーできるユーティリティー性が持ち味
-
ハリル後任のレグラギ監督が快挙!モロッコ代表率いて7戦無敗 アフリカ人初W杯8強指揮官に
-
ポルトガル大勝!先発落ちC・ロナウドの代役ラモスが大会1号ハット 代表デビュー4戦目の21歳が大爆発
-
【レジェンズ・アイ】中村俊輔氏 三笘が象徴「堅守速攻」今後も日本の武器に
-
三笘 後半投入で躍動もPK失敗「全部足りなかった」
-
南野「今まで生きてきた中で最悪の日」 勇気持ってPK戦1番手名乗りも失敗
-
遠藤 日本代表次期主将の筆頭候補「麻也さんの背中を見て学ばせてもらった」
-
長友 後輩たちの「新しい未来を確信」4度目のW杯で完全燃焼 やりきった15年…代表引退へ
-
吉田麻也 主将として4年半けん引…今後は「何も考えていない」敗戦から一夜も大粒の涙
-
大然 鬼プレスご褒美弾 混戦で鋭く反応!左足で決めた 周囲の支えに感謝「僕一人では無理でした」
-
鎌田 W杯の終わりは新たなスタート…最後のチャンスへ「引っ張っていけるような存在に」
-
堂安「エースでもあり、リーダーでもありたい」 試合後に仲間と4年後について議論
-
“防衛大臣”権田 モドリッチのミドル神セーブも…経験が分けたPK戦の明暗
-
森保ジャパン4年間総括 前半守備に徹し後半攻撃的に 示した強豪撃破への道
-
【槙野智章観戦記】PK戦は本当に残酷…1人目に挑んだ南野は責められない
-
城彰二氏 遅すぎた三笘投入…選手交代難しかった
-
中田浩二氏 自分たちでゲームコントロールできれば目標近づく
-
【データスタジアム】効果的だった伊東と堂安のドリブル
-
金子達仁氏 Jリーグの発展こそが“6・7キロの差”埋める礎となる
-
飯間健記者 26年W杯への提言 日本代表 ベースは変えず戦術と柔軟性を磨き上げたい
-
日本代表 次期監督候補は異例の1年契約も これまでは2年慣例
-
森保ジャパン支えた上野優作コーチ 来季J3岐阜監督濃厚
-
殊勲のクロアチアGK「クロアチアではこうやるんだ」4年目の再現 史上3人目!3本も止めた
-
【カタール日記】練習場の“常連”子猫に日本代表はどう映ったか
-
森保監督 旅の終わり「心残りない」 批判消した2度の歓喜を胸に「新時代」の始まり
-
ブラジル4発 ネイマール復帰即PK決めた!ノリノリ8強
-
韓国 王国に完敗…ベント監督が退任の意思「誇りに思う」