三笘　後半投入で躍動もPK失敗「全部足りなかった」

2022年12月07日 05:10

サッカー

三笘　後半投入で躍動もPK失敗「全部足りなかった」 — ＜日本・クロアチア＞後半、ドリブルする三笘（撮影・西海　健太郎） Photo By スポニチ

【FIFAワールドカップ（W杯）カタール大会決勝トーナメント1回戦日本1―1（PK1―3）クロアチア（ 2022年12月5日アルジャヌーブ競技場）】日本代表MF三笘が目を赤くし、涙を流した。取材エリアに姿を見せると「PKを外した責任があるし、迷惑をかけたなと思います。（涙の意味は？）僕よりも強い気持ちを持っている人に対しての申し訳なさです。いろんな人が、選手や監督を含めて思いがあった中で、自分が蹴るべきだったのかなと少し思います」と声を振り絞った。乗り越えかかっていた8強の壁。志半ばで大会を去る悔しさをピッチに置いてくることはできなかった。

　決める自信があった。120分の死闘を終え、選手たちはPK戦でボールの前に立つ人選などを話し合った。三笘は手を挙げた。「勝たせたいと思って。前日（の練習）も決めていて、いいフィーリングだった」。1番手の南野が外し、相手は決めている。よりプレッシャーのかかる場面。シュートはゴール左下隅に勢いよく飛んだが、相手GKのドンピシャの読みではじかれた。

　1次リーグ初戦のドイツ戦からジョーカーとして強豪国を手玉に取った。この日もDF長友に代わって後半19分から投入されると、「ボールがくれば仕掛けようと思っていたし、守備で左サイドからやられないようにと思っていた」と攻守に躍動した。延長前半15分には自陣でボールを持つとドリブルでぐんぐん加速。そのまま右足を振り切ったが、シュートはGKの正面を突いた。

　PK戦、クロアチアの4人目が決めて残酷な結果が突きつけられると、三笘はピッチに仰向けになって泣いた。「全部が足りなかった。チームを勝たせる存在、代表でもそういう存在にならないといけない」。次はジョーカーではなく、主役として――。ドーハの涙が、新章の幕開けを告げた。