森保ジャパン4年間総括 前半守備に徹し後半攻撃的に 示した強豪撃破への道

2022年12月07日 05:10

サッカー

森保ジャパン4年間総括 前半守備に徹し後半攻撃的に 示した強豪撃破への道
<日本・クロアチア>クロアチアに敗れうなだれる吉田(中央)ら日本代表イレブン(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 【FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会 】 【検証 森保ジャパン(1)監督采配】W杯カタール大会に出場している日本代表は5日の決勝トーナメント1回戦でクロアチアに敗れ2大会連続16強で大会を去った。1次リーグで優勝経験のあるドイツ、スペインに逆転勝ちし、旋風を巻き起こした森保ジャパンの戦いを検証。4年間を総括する。第1回は森保一監督(54)の采配に迫った。
 金星を挙げたドイツ戦、スペイン戦では森保監督の采配が的中した。前半は守備に徹し1点を追う後半に攻撃的な選手を投入。システムも変更し逆転した。ドイツ戦後、指揮官は「我々の勝利は世界のサプライズだと思うが、日本サッカーのレベルが世界に近づいているということ」と胸を張った。「森保マジック」と言われた大胆采配の背景には、今大会特有の事情があった。

 20年に始まったコロナ禍の影響で各国リーグは中断。再開後は過密日程となったため、選手への影響を減らすように交代枠が3人から5人に拡大された。W杯でもこれを踏襲。登録選手数も従来の23人から26人に増えた。森保監督は新ルールを有効活用した。1次リーグ3試合は交代枠を全て使い切り、フィールドプレーヤー23人中21人を出場させた。

 もちろんルール変更だけがマジックの要因ではない。選手層が厚くなったこと、複数のポジションをこなす選手がそろったことで選択肢が増えたのだ。

 現代表選手の多くは複数のポジションでプレーする。代表ではセンターバック(CB)の冨安はアーセナルでは左右のサイドバック(SB)が主戦場。板倉はCBとボランチ。鎌田はトップ下とボランチをこなす。

 森保監督は就任後122人を招集し計62試合を戦った。その間4―2―3―1、4―4―2、4―3―3、3―4―2―1などのシステムを採用した。4年間の積み上げがW杯の舞台で実を結んだ。

 W杯予選までのエースFW大迫(神戸)の不在は大幅な戦力ダウンにつながるとみられた。しかしスピードタイプのFW前田、浅野を起用し、ハイプレスでボールを奪い、ショートカウンターで攻めるスタイルにかじを切り「いい守備からいい攻撃」のコンセプトを実現させた。一方で相手が前に出てこなかったコスタリカ戦、クロアチア戦は機能せず、選手交代でも流れを変えられなかった。問題が全て解決されたわけではないが、森保監督が強豪撃破の戦術を提示したことは確かだった。(特別取材班)

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