【明治安田生命J2リーグ第12節 町田2―1熊本 ( 2023年4月29日 町田GIONスタジアム )】
町田が得意の先行逃げ切りで、首位固めに成功した。前半8分、MF高江麗央の左クロスを、右足の故障から約1カ月ぶりに復帰したFWミッチェル・デュークが中央で収める。後方にいた右サイドバックのDF奥山政幸がペナルティーエリア外から右足を思い切り振り抜くと、ボールは相手に当たり、反応したGKの逆をついてネットに突き刺さった。
「やっとですね。決めたときから、きょうは勝ち切りたいと思っていた」。29歳の奥山政は17年に町田加入後、J2で得点した5試合でチームは2分け3敗と勝ちがなかった。後半は防戦一方となり、エリキのPKで追加点も、終盤に失点して再びリードは1点に。「そんなこと(ジンクス)を考える余裕もなかったけど、終わってみれば僕が悪い気を呼んでいるんじゃないかと(笑い)。でもきょうで払拭(ふっしょく)できたので、とりあえずひと安心かな」と笑顔がこぼれた。
奥山政は今季、選手間の投票で初めて主将に就任した。黒田監督も「しっかりとチームをまとめ、守備の陣形ではリーダーシップを取り、1対1の対人で勝っていく。貢献度が高く、今の町田には欠かせない選手」と揺るぎない信頼を置いている。
前節の甲府戦で2敗目を喫したものの、選手の距離感を細かく修正して連敗を回避。追う大分が敗れ、2位以下との勝ち点差は3に広がった。指揮官は「連敗しないためのベースづくりをしてきた。ポゼッションが上手なチーム相手にも試合をリードし、結果が伴ったことは評価できる」と選手を称えていた。