【蹴トピ】スペイン1部暫定首位 偶然じゃないジローナ旋風

2024年01月17日 06:00

サッカー

【蹴トピ】スペイン1部暫定首位 偶然じゃないジローナ旋風
歓喜するジローナのミチェル監督(左)とコウト(AP) Photo By AP
 スペイン1部でジローナが旋風を起こしている。14日に行われたアルメリアとの後半開幕戦こそ0―0で引き分けたものの、前半戦で敗れたのはレアル・マドリードだけでバルセロナやアトレチコ・マドリードを破るなど15勝3分け1敗と大躍進を遂げて2位ターン。17年夏にイングランド・プレミアリーグの強豪マンチェスター・シティーと姉妹クラブになって急成長し、創設94年目で初優勝に挑むクラブに迫った。
 最下位アルメリアとスコアレスドローに終わった後半開幕戦。リーグ最多46得点を誇りながら、開幕19戦未勝利だった最多失点クラブにシュート数5―20(枠内1―9)と圧倒された。それでも守護神ガッサニガを軸に無失点でしのぎ、しぶとく勝ち点1を加えた。スペイン・スーパー杯のため消化が1試合少ないRマドリードを勝ち点1差でかわして暫定首位に浮上。ミチェル監督は「いつも勝てるわけではない。首位に立ちたいクラブはあらゆる面で劣った試合でも勝ち点を確保できる」と前を向いた。

 躍進は創設87年目で初めて1部昇格を決めた2016~17年シーズン終了後から始まった。08年にマンチェスターCを買収したUAE王族保有の投資グループが設立した事業グループ「シティー・フットボール・グループ(CFG)」傘下に入った。マンC指揮官の実弟ペレ・グアルディオラ氏がクラブのトップになって予算は約5倍に急増。数ある姉妹クラブから優先的な選手供給を受け、補強に有効な選手評価の情報、チーム運営、クラブ経営のノウハウ共有も可能になった。

 昇格直後は2季で2部に降格したが、1部に復帰した昨季は欧州カップ戦の出場権争いに絡んで10位と健闘。今季はCFGのフランス2部トロワからFWサビオ、マンCから通算3季目となるDFコウトのレンタル組が主軸となり、MFエレーラと昨秋にクラブから初めてスペイン代表に選ばれたMFのA・ガルシアの元マンC組も存在感を増している。

 新加入で19戦11得点を記録しているFWドフビクと2季目を迎えて15戦3得点のMFツィガンコフのウクライナ代表コンビ、さらにバイエルン・ミュンヘンからフリーで獲得したDFブリントらも躍動。高いパス精度と展開力を備えた中盤のA・ガルシアを軸に両サイドから仕掛ける多彩なスタイルは異なる14人の得点者を生み、攻撃志向が強いDF登録の選手だけで8得点9アシストを記録していることも好調の一因となっている。

 開幕前のクラブ目標は1部残留で、優勝オッズは12番人気の1001倍。アルメリア戦で退場処分を受けたA・ガルシアだが、躍進は「偶然や幸運ではない」と胸を張る。「どのチームとも戦えることを示してきた」というジローナの挑戦は、ここから正念場を迎える。

 ◇ジローナあらかると
 ☆創設 スペイン北東部の人口10万人の小都市ジローナを本拠地に1930年に創設。ホームはモンティリビで約1万4600人を収容。現在はCFGが株式44・3%を保有。日本人は指宿洋史が09年1月に3年半契約で加入し、08~09年シーズンに6試合に出場。

 ☆予算 今季予算5200万ユーロ(約83億円)はリーグ13位。首位はRマドリードの7億2700万ユーロ(約1156億円)、久保建英のレアル・ソシエダードは1億2500万ユーロ(約199億円)で6位。

 ☆シャツ 15年の年間売り上げは800枚で4万ユーロ(約636万円)だったが、日本や南米、米国など国際的な流通販路の拡大で今季は25倍の100万ユーロ(約1億5900万円)が見込まれている。

 ☆称賛 バルセロナのシャビ監督は昨年12月の対戦前に「予想に反し、驚くべきことにジローナは(優勝を)狙える。勇敢で恐れない彼らを気に入っている」と称え、敗戦後も「称賛に値する」と祝福。

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