G大阪に漂う躍進の予感…攻守に隙がない戦い方目指す

2024年02月14日 06:00

サッカー

G大阪に漂う躍進の予感…攻守に隙がない戦い方目指す
10日の広島戦の後半、ボールをキープするG大阪・岸本(右) 
 【スポニチ蹴球部コラム Footひと息】3年連続残留争いに巻き込まれているG大阪だが、今季はおもしろい存在になりそうだ。10日にあったプレシーズンマッチ・広島戦。逆転勝利を収めた一戦を取材した後、素直にそう思った。
 MF山田康太の攻守にわたるアグレッシブさやテクニック。MF岸本武流の背後への抜け出しとタイミングの速いクロス。MF鈴木徳真の気の利いたポジショニングや精度の高いキック。DF中谷進之介のリーダーシップと落ち着き。新スタジアムのこけら落としで士気の高い広島相手に、新加入選手が個々の持ち味を発揮した。

 既存の選手ではDF半田陸がサイドバックだけでなく、攻撃時はピッチ中央まで入り、潤滑油になっていた。FWジェバリのうまさは変わらず光っていたし、MF倉田秋の逆転ヘッドも執念を感じさせるものだった。セットプレーの練習をしているDF黒川圭介のCK精度も悪くない。

 何よりもチームとしてやろうとしていることが明確だ。今季は4―2―3―1システムを採用し、高いDFラインを設定。そして昨年からの「スペースをつくり、スペースを使う」サッカーを志向する。全体をコンパクトに保つことで、攻守に隙がない戦い方を目指す。

 昨年からクラブに在籍するアナリストの梨本健斗氏に話を聞けば、昨年はDFラインがJクラブの中でも低い方だったという。切り替えの遅さや球際や競り合いなどプレー強度の低さに起因。それらをチーム内で共有し、沖縄キャンプでは改善に努めてきた。確かに新戦力は運動能力に優れた選手が多い。また、半田がピッチ中央のポジションを取ることで「攻撃→守備」のスイッチも入れやすくなる。昨季はリーグワーストタイの失点数だったが、守備は大崩れしないのではないだろうか。

 チーム内に慢心もない。昨年は沖縄キャンプから破竹の勢いがあったが、シーズンに入って勝てない時期が続いた。昨年と同じテツを踏まないために、対策を練られようとも今の方針や戦術をブラッシュアップさせていくことが肝要だ。その意味で主将のFW宇佐美貴史を筆頭に、チーム全体が気を引き締めているのも心強い。

 昨季は7連敗フィニッシュで16位に沈んだ。多くを望めない成績だが、何が起こるか分からないのがサッカーの世界だ。日本代表に1―6で敗れたヨルダンがアジア杯で準優勝すると予想できた人はごく少数だっただろう。今季のG大阪の躍進を予想する人はそれよりも多いだろうし、私もその一人である。 (飯間 健)

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