経営権譲渡のINAC神戸 澤穂希らと一時代築いた名物オーナー…すべては女子サッカーのため
2024年02月26日 17:21
サッカー
経営から身を引くことになったが、前オーナーである文弘宣会長の存在なくしてINAC神戸、さらには女子サッカー界の隆盛はなかっただろう。
産声を上げたのは01年と“新参者”だったが、05年にはLリーグ(現WEリーグ)に参戦。当時、選手はアルバイトや社員として働きながら夜に練習をする二足のわらじが当たり前だった。
ところが、INAC神戸は文会長のグループ企業で選手を雇用し、社業を免除とする事実上のプロ選手として契約を結んできた。これにより、2部練習や長期合宿なども可能に。“選手ファースト”を貫いたことが、強化につながり結果が出た。
「数億円じゃすまない」というほど、お金をつぎ込んできたが、目標としていたのは女子サッカーのクラブとして独立採算で運営できること。スタッフにハッパを掛けながら、一口スポンサーなどあの手この手で運営費用を集めた。
転機となったのは、2011年。プロ契約を打ち切られた澤穂希さんらライバル日テレのスター選手にオファーを出した。「澤さんは日本の宝だから。女子サッカーのためにもうちでプレーしてもらいたかった」。批判を受けながらもオファーを受けた澤さんは昼間に体を動かすことのできる最高の環境を手に入れた。心身を整え迎えたW杯で優勝。なでしこフィーバーを巻き起こした。
その恩恵を受けながらも、文会長は手綱を緩めなかった。神戸市などとタッグを組み、練習拠点「神戸レディースフットボールセンター」の建設に尽力。12年11月にクラブハウスが隣接する立派な練習場が完成した。ファンが練習を見られるようにスタンドも常設。何か問題点を感じると、なでしこリーグや日本代表などにも、遠慮せずもの申した。すべては女子サッカー界のため。愛情あふれるオーナーだった。
おすすめテーマ
2024年02月26日のニュース
特集
サッカーのランキング
-
INAC神戸が大栄環境グループに経営譲渡を電撃発表 新オーナー「将来も名前は変えるつもりない」
-
INAC神戸が身売りを電撃発表 皇后杯7度目制覇から1カ月…大栄環境Gに全株式譲渡 名称変更せず
-
元日本代表FW岡崎慎司が今季限りでの引退発表「気付いたら体ボロボロ、自分に限界を感じた」
-
【動画】モナコ・南野拓実 後半アディショナルタイムに超絶ゴラッソ!!
-
なでしこジャパンがリラックスした表情で帰国 28日の第2戦の勝敗でパリ五輪行きが決定
-
LAギャラクシーのDF吉田麻也&山根視来はメッシ擁するインテル・マイアミとドロー発進 MLS開幕
-
元日本代表FW岡崎慎司 今季限りで引退へ 歴代3位の通算50得点 ダイビングヘッドが代名詞
-
松葉づえの遠藤航が初タイトルに「凄く大きい」 カイセドを吹き飛ばし「いかに潰せるかがキー」
-
【動画】イングランドリーグ杯決勝 120分の死闘を制したリバプール
-
リバプール遠藤 リーグ杯制覇導く活躍に英メディア高評価「前半のブロックは極めて重要だった」
-
英リーグ杯制覇の立役者だ!リバプールGKが神がかり的な好守連発 ネット絶賛「控えGKとは思えない」
-
東京V 山田楓がFK弾も空砲 J1に16年ぶり復帰も黒星スタート
-
柏はドロー発進 細谷、痛恨PK外した 終了間際にはまさかの失点
-
マリノス ヴェルディに逆転勝ち 歴史は繰り返された 国立でよみがえった93年開幕カード
-
ブライトン・三笘 腰の不安でベンチ外 18日試合後に「もともと痛みを持っていてそれが出てきた」
-
シントトロイデン・伊藤涼 3戦ぶり先発で決勝弾「数字を残したいという思いで試合に入った」
-
ボーフム・浅野 不発でボルシアMGに完敗 ヘッドも外れ「最後のプレーにこだわらないと」