【蹴トピ】プレミアでシーズン最多1246点 延びたATで伸びた得点数

2024年05月29日 06:00

サッカー

【蹴トピ】プレミアでシーズン最多1246点 延びたATで伸びた得点数
プレミアリーグの総得点 Photo By スポニチ
 欧州では26日までに主要リーグが日程を終えた。レーバークーゼンがドイツ1部初のシーズン不敗で初優勝するなど各リーグでさまざまな話題があった中、イングランドのプレミアリーグで1246得点のシーズン最多記録が生まれた。旧1部から移行1年目だった92~93年の1222点を更新。当時より総試合数が少ない中でゴールラッシュに沸いた背景に迫った。
 20チームによる現行の380試合制で総得点の最多記録を更新したのが4月24日。45試合も残した段階で昨季の1084点を超える1092点とした。残り試合でさらに1246点まで数字を伸ばすと、22チームで462試合だった92~93年シーズンをも24点上回る驚異の新記録。1試合平均で昨季の2・85点から3・28点まで急増した。最大の要因が長くなったアディショナルタイム(AT)だ。

 22年W杯カタール大会でFIFAは試合で浪費された時間を厳密にATに加算。「長過ぎる」と話題になった。プレミアリーグも今季から続いたことでATが劇的に増加。1試合平均で昨季よりも3分8秒も長い11分35秒になった。試合時間が延びればゴールも増える。今季は148点がATに記録され、実に全体の11・9%。昨季の84点(7・7%)を大幅に上回った。

 戦術も得失点増の要因だ。リスク覚悟で果敢に攻めるポステコグルー監督のトットナムは17試合で得失点合計4点以上の乱打戦を記録。堅守のオニール前監督から攻撃的スタイルで知られたイラオラ監督に今季切り替えたボーンマスは得失点を昨季の108から121に増やした。76歳で保守的なホジソン前監督の下で1試合平均の得失点が2・92だったクリスタルパレスは、2月にグラスナー監督が就任すると3・21に数字が上昇。バーンリーのコンパニー監督ら下位にも攻撃志向が強い指揮官がそろった。

 足元でボールをつなぐGKや最終ラインからの組み立ては機能すれば攻撃力が増す一方で相手のハイプレスにかかれば失点につながる。伝統的にフィジカル重視でかつてはロングボールに頼るチームも珍しくなかったが、元イングランド代表DFガリー・ネビル氏は「どのチームもどうボールをキープし、得点して勝つか考えている。10~15年前と違って積極的」と指摘する。

 導入5年目のビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)も一定数の退場やPK判定を下支え。最下位だったシェフィールドUがリーグ最多を更新するシーズン104失点で“貢献”したことも見逃せない。一部選手からは心身の負担増につながる長時間ATを批判する声もあるが、終了間際の一撃を含む得点増は、最高峰リーグをより劇的なものにしているといえそうだ。

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