ドン・ファン遺言書は有効 田辺市に遺産13億円寄付
2024年06月22日 05:30
社会
判決理由で高橋裁判長は、野崎さんが過去に書いたとされるメモなどと対照し、遺言書の筆跡と特徴が似ていると指摘。また筆記具に好みの色である赤ペンをよく使用し、遺言書を自署した裏付けになるとした。
訴訟で親族側は市に寄付する合理的な動機が見当たらないと主張。しかし判決は、野崎さんがこれまで市に複数回、計1200万円の寄付をし、市の発展を望む発言もしていたことから、遺産を地元に寄付することに矛盾はないと判断した。
野崎さんの死亡を巡っては致死量の覚醒剤を摂取させ殺害したとして、21年に元妻須藤早貴被告(28)が殺人容疑などで逮捕、起訴された。遺産を田辺市が受領した場合でも民法上、妻だった須藤被告は遺留分として一定額を請求する権利はあるが、殺人罪で有罪が確定すると欠格事由に該当し権利を失う。