石丸伸二氏 10、20代と無党派層で小池氏支持上回る 次は国政?「例えば岸田首相の選挙区で」

2024年07月08日 05:30

社会

石丸伸二氏 10、20代と無党派層で小池氏支持上回る 次は国政?「例えば岸田首相の選挙区で」
落選が決まり、敗戦の弁を述べる石丸伸二氏 Photo By スポニチ
 任期満了に伴う東京都知事選は7日投開票され、無所属現職の小池百合子氏(71)が3選を果たした。健闘したのが、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)。都知事選初出馬ながら、出口調査では蓮舫氏(56)を上回る2番手につけた。記者会見では国政進出の可能性に言及。岸田文雄首相(66)の選挙区である衆院広島1区からの出馬を選択肢に挙げた。国政でも新たな風を吹かす可能性は十分にある。
 石丸氏は午後8時5分ごろ、東京都新宿区内の事務所の壇上に立った。「胸を張って、やれることは全部やったと言い切れます」とすがすがしい表情。集まった支援者は若い世代や女性が目立ち、落選の結果に「何でだよ」と嘆いたり、すすり泣いたりする人の姿もあった。報道陣から国政進出の可能性を聞かれると「選択肢としては当然考えます。例えば広島1区。岸田首相の選挙区です」との発言が飛び出した。

 既成政党から声をかけられた場合を聞かれ「くみするつもりはない」と断言。新党結成の可能性については「あるんじゃないですか。明日、太陽が爆発する可能性もある」と含みを持たせた。ただ、さらに問われた際には「現段階で何か党をつくる意思はない」と述べた。

 選挙戦を支えたのは、精力的な街頭演説とSNSによる発信。「選挙の神様」とも称される選挙プランナーの藤川晋之助氏の後援を受け、演説は1回あたり約15分で区切り、1日約10カ所を巡った。自己紹介から始め、元銀行員の経歴や人柄を知ってもらうことを重視。政策の主張より、演説の様子を写した動画をSNSで拡散するよう聴衆やボランティアらに依頼したり「選挙を楽しみましょう」と呼びかけたりと、型にはまらない訴えに時間を割いた。陣営幹部は「有権者はそれほど政策で候補者を見ない。それよりも人柄や期待感だ」と戦略を説明した。

 その狙い通り、若者を中心に無党派層を取り込んでいった。出口調査では、18~29歳の41%、無党派層の37%が投票先に石丸氏を選び、どちらも当選した小池氏を上回るトップ。男女別でも、男性の投票先で石丸氏が33%、小池氏が32%と拮抗(きっこう)した。YouTubeチャンネルの登録者数は小池氏の約3500人、蓮舫氏の約1万人に対して石丸氏は約29万人。今年1月に開設し約1カ月前は約5万人だったが、選挙活動を通じて伸びた。石丸氏の演説や会見の動画切り抜きチャンネルも多数存在。デジタル世代の若者の目にも多く触れることになった。

 石丸氏が無党派層の投票先でトップになったことに関し、自民執行部の一人は「政治に変化を求める思いを感じる」と話した。4年後の都知事選への再挑戦は「情勢次第」とした石丸氏。政界の台風の目として、今後の動向に注目が集まる。

 ◇石丸 伸二(いしまる・しんじ)1982年(昭57)8月12日生まれ、広島県吉田町(現安芸高田市)出身の41歳。京大経済学部卒。2006年に三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。初代ニューヨーク駐在で、アナリストとして9カ国を担当。20年に退職。同年の安芸高田市長選挙に立候補し初当選。都知事選出馬に伴い辞職した。出身高には綾瀬はるか(39)やアンガールズの山根良顕(48)らも通っていた。

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