プール熱中症に注意 夏本番、各地で相次ぐ水の事故 意外な“盲点” 頭痛や足つったら危険

2024年07月22日 04:45

社会

プール熱中症に注意 夏本番、各地で相次ぐ水の事故 意外な“盲点” 頭痛や足つったら危険
プールでも熱中症相次ぐ…対策忘れずに Photo By 共同
 夏休みに突入し、家族連れや子供たちだけでプールに遊びに行く機会が増える。水で体を冷やすから大丈夫と思いがちだが、実は各地のプールで熱中症の症状を訴えるケースが報告されている。
 水に漬かっていて、なぜ熱中症になるのか。まずは水温だ。日本スポーツ振興センターによると33~34度以上は要警戒。33~34度は動かなければ体温が上昇も下降もしない「中性水温」と呼ばれる。これを超えると、何もしなくても体温が上がっていく。風呂で約40度の湯に漬かり、体が温まるのと同じだ。

 次に、水中では汗をかいた気化熱で体温を下げることができないこと。プールの中で泳ぎ、遊んでいる時も、実は結構な汗をかいている。肌が空気に触れていれば、汗が乾くときの気化熱で体の熱を放出できる。だが水中ではそうもいかず、体に熱がこもっていく。

 さらに、発汗分の水分補給を怠りがちになる。医師で医療ジャーナリストの森田豊氏は「口元や体が水で冷やされていると、喉の渇きを感じにくいのか、知らないうちに脱水症状や熱中症になる」と注意喚起する。

 日本水泳連盟などが呼びかけているプールでの熱中症対策は、(1)体が熱いと感じたら日陰で休み、保冷剤などで体を冷やす、(2)スポーツドリンクなどで小まめに水分補給、(3)帽子をかぶって直射日光を遮る、など。森田氏は「水中での熱中症は自分で気付きにくく、一緒にいる人同士で注意が必要。頭痛や足がつるなど熱中症の初期症状が出たら、速やかに涼しい場所で休憩し、水分を取るなどしてほしい」と話している。

 日本水泳連盟は屋外プールの安全の目安として「水温+気温が65度以上の時は適さない」としている。気温37度なら水温は28度だが、強い日差しで水はどんどん温まる。子供は大人より熱中症になりやすく、さらに注意が必要。「水中でも熱中症になる」(森田氏)ことを忘れず、夏のレジャーを楽しみたい。

 ≪女子中学生含む4人死亡≫多くの学校が夏休み最初の週末を迎えた21日、海水浴場など各地で水の事故が相次ぎ、女子中学生を含む男女4人が亡くなり、1人が意識不明となった。広島県坂町の海水浴場から21日午前10時50分ごろ、「女性が溺れた可能性がある」と119番があった。流されたとみられるのは広島市の女子中学生(13)で、救助されたが、病院で死亡を確認。家族ら計6人で海水浴場を訪れ、妹らと海で遊んでいる際に溺れたとみられる。岐阜県関市のキャンプ場沿いを流れる板取川で午後2時20分ごろ、泳いでいたトルコ国籍の学生カンジャ・アーメットさん(21)=愛知県あま市=が溺れ、病院で死亡が確認された。

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