バイデン氏 大統領選撤退表明 高齢不安で交代圧力 後継にハリス副大統領支持 再選断念は56年ぶり

2024年07月22日 03:09

社会

バイデン氏 大統領選撤退表明 高齢不安で交代圧力 後継にハリス副大統領支持 再選断念は56年ぶり
次期大統領選からの撤退を表明したバイデン米大統領(AP) Photo By AP
 11月の米大統領選で再選を目指した民主党のジョー・バイデン大統領(81)が21日、選挙戦撤退を発表した。6月の討論会で高齢による心身の衰えへの懸念が再燃し、民主党内で交代を求める圧力が強まっていた。来年1月まで残る任期の職務に専念するとし、共和党候補ドナルド・トランプ前大統領(78)に対抗する後継の民主党候補としてカマラ・ハリス副大統領(59)を支持すると表明した。
 再選を狙った現職大統領が撤退に追い込まれるのは、ベトナム戦争の反対運動に直面した1968年のジョンソン大統領以来56年ぶりだが、二大政党の候補選びが事実上終わった段階の撤退は極めて異例だ。

 民主党は新たな候補の擁立が急務となる。バイデン氏は民主党支持者に「結束し、トランプ氏を倒す時だ」と呼びかけた。トランプ氏はCNNテレビに対し「米国史上で最悪の大統領だ」とバイデン氏を批判した。

 バイデン氏は撤退が「民主党や米国にとって最善だと考えた」と説明した。決断について、今週国民に詳しく説明する。就任以降、「これまでの約3年半でわれわれは大きな進歩を成し遂げた」と述べた。

 バイデン氏は6月27日の討論会で、声が小さくかすれ、質問への回答で結論を言えない場面も目立った。トランプ氏が7月中旬に暗殺未遂事件に遭い、共和党が団結を強めるのに対し、民主党の失速が目立っていた。

 バイデン氏は中間層を重視し、巨額投資で新型コロナウイルス禍からの経済再生をアピールしたが、インフレが長引き国民の不満が噴出。パレスチナ自治区ガザ情勢では攻撃を続けるイスラエルを擁護した一方、人道状況の悪化に民主党内で不満が高まり、難しいかじ取りを迫られていた。

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