“コバホーク”小林鷹之氏 鷹がタカ派食う 推薦人20人メド、自民総裁選出馬へ 週明け19日にも表明

2024年08月17日 04:40

社会

“コバホーク”小林鷹之氏 鷹がタカ派食う 推薦人20人メド、自民総裁選出馬へ 週明け19日にも表明
推薦人確保にメドを付けた小林鷹之前経済安保相 Photo By 共同
 岸田文雄首相が9月の自民党総裁選への不出馬を表明したことを受け、意欲を見せる議員たちは16日も立候補に必要な推薦人20人の確保へ水面下で奔走した。告示日や投開票日は20日に決まる予定。各陣営の動きは一層活発になっている。
 週明け19日にも一番手で出馬表明するとみられているのが、初挑戦ながらすでに推薦人確保にめどを付けた小林鷹之前経済安全保障担当相。愛称は名前をもじった「コバホーク」。若手を中心に支持を広げている。

 保守政治家を自任する小林氏の勢いに警戒感を強めるのが保守派の代表格の高市早苗経済安保担当相。安倍晋三元首相の後押しを受け出馬した3年前、推薦人に名を連ねていたのが小林氏。高市氏を支援していた議員が今回は小林氏支持に回る動きも出ているという。

 安倍派議員の支援に期待したいが、「二階派で二階俊博元幹事長にかわいがられていた小林氏は安倍派の中堅・若手にも触手を伸ばし浸透している」(党関係者)。当選4回同期の福田達夫筆頭副幹事長らが派閥政治から政策本位の集団への脱却を訴えた緊急提言を発表すると、すぐさま同調。裏金事件で役職を外された同派議員らの処遇に関しても異論を唱えている。

 推薦人確保が壁となっている高市氏。自ら安倍派などの保守系議員に「陣営に入ってほしい」と求める電話作戦を敢行している。

 やはり保守派で5度目の挑戦を目指す石破茂元幹事長も小林氏の動向を注視。「次の首相にふさわしい人」を聞いた報道各社の世論調査で1位を誇る一方、議員支持が広がらず、こちらも不安視されたのが推薦人確保。15日のテレビ番組で「めどが付きつつある」としたが、党関係者は「なんとか確保では勝ち抜けない。保守系議員への浸透が必要だろう」と指摘する。

 さらに、首相の不出馬でネックになるのが世代交代論。当選12回で67歳の石破氏に対し、小林氏は4回で49歳。派閥政治に乗った首相相手ならば改革色を前面に出してアドバンテージを取れた。

 永田町ウオッチャーは、保守系3氏の争いについて「コバホークが同じタカを食う構図。大きな流れとなり得る」と話した。

 小林氏を推すのは、厳しい選挙を戦った経験値が少ない議員。政権奪還を果たした2012年衆院選以降に当選した衆院議員は党内で約140人。衆参全体の4割近くを占める。ここを票田としたいのは小泉進次郎元環境相も同じ。「刷新」をキーワードに食い合う展開となりそうだ。

 ≪岸田派は林氏擁立も≫
 自民党の加藤勝信元官房長官は、党総裁選への立候補に向けた準備に着手した。複数の関係者が16日明らかにした。

 加藤氏は最近面会した党幹部に、自身と同じ岡山県選出議員の支持を取り付けたと説明した。加藤氏は茂木派に所属するが、安倍氏に近く、菅義偉内閣で官房長官を務めた。茂木派は茂木敏充幹事長も出馬意欲を示しており、加藤氏にとって推薦人の確保が課題。一方、茂木氏については麻生太郎副総裁が支持に難色を示したとの情報もある。

 岸田派内では同派座長の林芳正官房長官の擁立論が浮上。林氏は出馬に向けて検討する意向を岸田派関係者に伝えた。派内では林氏について「首相の路線を継続するには最適だ」(閣僚経験者)と推す声が出始めた。岸田派としては総裁候補を立てることで、草刈り場になるのを避ける狙いもありそうだ。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2024年08月17日のニュース

特集

【楽天】オススメアイテム