野田立民代表 裏金攻勢全国行脚 衆院選公示日いきなり大移動 第一声は“萩生田王国”八王子

2024年10月16日 04:40

社会

野田立民代表 裏金攻勢全国行脚 衆院選公示日いきなり大移動 第一声は“萩生田王国”八王子
八王子で第一声を行い、裏金議員を痛烈批判する野田佳彦氏(撮影・菊地一) Photo By スポニチ
 第50回衆院選が15日公示され、27日の投開票に向けて12日間の選挙戦に入った。9党など1344人が立候補。全国289小選挙区と11ブロックの比例代表の計465議席を争う。自民党の派閥裏金事件を受けた「政治とカネ」への対応などが争点。立憲民主党の野田佳彦代表は東京都八王子市を皮切りに、旧安倍派幹部の“大物裏金議員”3人の地元に殴り込み。石破茂首相は福島県いわき市から選挙戦をスタートさせた。
 「なぜ第一声に東京24区を選択したのか。(対立候補が)裏金の額の多い議員で、その裏金議員を裏から支えてきた旧統一教会と結びつきが強い人だからです。もう裏、裏、裏!」

 JR八王子駅前でマイクを握った野田氏。“標的”は、裏金問題で自民党から非公認になった萩生田光一元政調会長。東京24区で6選を重ねる“大物”だが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係も繰り返し指摘されてきた。

 約20分にわたる訴えの大半を裏金問題に割いて「(不記載額は)上から3番目。政治資金として使ったと証明されなければ、修正申告をして納税するのが筋。所得税法違反をやっていた、脱税をやっていたということ」と強調。立民が擁立し、長年旧統一教会を追及してきた有田芳生氏の横でボルテージを上げた。

 第一声を終えると、車に飛び乗り羽田空港へ。空路で大阪・伊丹空港へ到着すると、車で兵庫9区に入った。“第2の標的”は西村康稔元経済産業相。こちらも裏金事件を受けて非公認だが、事件発覚当初から地元に張り付いている。JR明石駅前で「“裏金大物議員”に挑戦をする勇気ある候補者」と前兵庫県議の候補者をアピールした。

 “裏金選挙区”行脚の狙いは、自民を敬遠する浮動票の獲得。全勝した4月の衆院3補欠選挙の成功体験が背景にある。だが共同通信社の世論調査では、「何を重視して投票するか」との質問に対し「景気・雇用・物価高対策」が57・0%で、「政治とカネ」は14・4%。永田町では「裏金一本では、勢いに陰りが出かねない」との声も上がっている。

 兵庫を後にした野田氏は、大阪駅経由で福井2区へ。やはり非公認ながら、9期目を目指す高木毅元国対委員長の地元。日が落ちたJR敦賀駅前で、裏金議員への批判を展開した。

 「裏、裏、裏」の演説通り、まずは大物3人を攻撃。政権交代を掲げる野田氏にとっては、裏金議員をどこまで追い込められるかが鍵になる。

 ≪萩生田氏2時間後に演説 選挙カーの“自民”白塗り≫萩生田氏は野田氏の2時間後、同じ八王子駅前で第一声。「政治不信を招く事態となった。おわびを申し上げたい」と頭を下げた。選挙カーの垂れ幕の「自民党公認」の文字は白く塗りつぶされていた。

 ≪裏金関連前議員46人が立候補 党公認は34人≫派閥裏金事件に関係した前議員ら46人が立候補した。このうち34人は党が公認。萩生田氏ら12人は公認されず、無所属での出馬となった。いずれも比例代表には重複立候補できず、小選挙区で敗れれば落選。裏金事件での逆風が収まらない中、厳しい戦いが予想される。自民は非公認でも当選すれば、原則として選挙後に追加公認する方針だ。

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