野田立民代表 裏金攻勢全国行脚 衆院選公示日いきなり大移動 第一声は“萩生田王国”八王子
2024年10月16日 04:40
社会
JR八王子駅前でマイクを握った野田氏。“標的”は、裏金問題で自民党から非公認になった萩生田光一元政調会長。東京24区で6選を重ねる“大物”だが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係も繰り返し指摘されてきた。
約20分にわたる訴えの大半を裏金問題に割いて「(不記載額は)上から3番目。政治資金として使ったと証明されなければ、修正申告をして納税するのが筋。所得税法違反をやっていた、脱税をやっていたということ」と強調。立民が擁立し、長年旧統一教会を追及してきた有田芳生氏の横でボルテージを上げた。
第一声を終えると、車に飛び乗り羽田空港へ。空路で大阪・伊丹空港へ到着すると、車で兵庫9区に入った。“第2の標的”は西村康稔元経済産業相。こちらも裏金事件を受けて非公認だが、事件発覚当初から地元に張り付いている。JR明石駅前で「“裏金大物議員”に挑戦をする勇気ある候補者」と前兵庫県議の候補者をアピールした。
“裏金選挙区”行脚の狙いは、自民を敬遠する浮動票の獲得。全勝した4月の衆院3補欠選挙の成功体験が背景にある。だが共同通信社の世論調査では、「何を重視して投票するか」との質問に対し「景気・雇用・物価高対策」が57・0%で、「政治とカネ」は14・4%。永田町では「裏金一本では、勢いに陰りが出かねない」との声も上がっている。
兵庫を後にした野田氏は、大阪駅経由で福井2区へ。やはり非公認ながら、9期目を目指す高木毅元国対委員長の地元。日が落ちたJR敦賀駅前で、裏金議員への批判を展開した。
「裏、裏、裏」の演説通り、まずは大物3人を攻撃。政権交代を掲げる野田氏にとっては、裏金議員をどこまで追い込められるかが鍵になる。
≪萩生田氏2時間後に演説 選挙カーの“自民”白塗り≫萩生田氏は野田氏の2時間後、同じ八王子駅前で第一声。「政治不信を招く事態となった。おわびを申し上げたい」と頭を下げた。選挙カーの垂れ幕の「自民党公認」の文字は白く塗りつぶされていた。
≪裏金関連前議員46人が立候補 党公認は34人≫派閥裏金事件に関係した前議員ら46人が立候補した。このうち34人は党が公認。萩生田氏ら12人は公認されず、無所属での出馬となった。いずれも比例代表には重複立候補できず、小選挙区で敗れれば落選。裏金事件での逆風が収まらない中、厳しい戦いが予想される。自民は非公認でも当選すれば、原則として選挙後に追加公認する方針だ。