美姫 弱音連発 ソチまでの道のりは「遠い」
2013年10月22日 06:00
フィギュアスケート
4月に女児を出産し、7月にテレビニュース番組でそれを公表。慌ただしさの中で幕を開けた五輪シーズンは、2年ぶりの復帰初戦となった9月のネーベルホルン杯(ドイツ)でこそ合計162・86点をマークし2位に入ったが、続く関東選手権では出産による長期休暇の影響でジャンプミスなど精彩を欠いた。
「(ソチは)今はまだ、一番遠いところ。代表になるにも道は厳しいというのを、正直感じている」。強化指定復帰が注目された16日のスケート連盟の理事会では「まだ五輪に出る選手のレベルではない」との強化部の判断で議題にすら上がらなかった。現状では五輪出場の評価対象となるGPシリーズに出場できないため、最終選考会の全日本選手権(12月21~24日、埼玉)で優勝しなければ五輪切符の獲得は極めて厳しくなる。それには、東日本選手権(11月1~4日、群馬)で6位以内に入り、全日本選手権の出場資格を得る必要がある。
練習を再開した当初は「骨盤がゆがみ、内転筋も弱った。足の筋力が落ちて、スケート靴が重かった」。現在は陸上トレーニングもこなしながら、目指すのは「お客さんと一体感を持って、リンクの上で表現できるか」という状態まで仕上げること。体力面と技術&表現力。同時進行で100%にしなければ、3度目の五輪は見えてこない。
「少しずつは前進していると思う。全日本に勝ち上がらないと、その次の大きな舞台は見えない」。母となり、優しさを増した表情と声とは裏腹に、その決意は悲壮そのものだった。
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