過去の世界記録はすべて抹消も 重大な岐路に立たされた陸上界
2017年05月16日 10:30
陸上
今でも彼女の記録を疑う人は多い。当時のレースを見ていた多くの人が同じ思いを抱いたはずだが、あくまでもそれは推測であって、事実として証明されているのは「陰性」という検査結果だけだ。旧ソ連や旧東ドイツ選手の当時の記録も同じで、検査が「陰性」だった以上、今になって何の証拠もなく一方的に記録を抹消するという判断が果たして正しいのかどうか。
いつになってもなくならないドーピング違反にIAAFが頭を悩ませているのはよく分かる。どこかで一線を引き、旧世界記録と新世界記録に分けて考えるべきだという声が以前からあることも知っている。だが、だからといって「すべての記録を消し去る」という極論には賛同できない。IAAFが最終的にどういう決断を下すのか、選手たちが今後どういう反応を示すのか、陸上界は今、重大な岐路に立たされている。 (編集委員)
◆藤山 健二(ふじやま・けんじ)1960年、埼玉県生まれ。早大卒。スポーツ記者歴34年。五輪取材は夏冬合わせて7度、世界陸上やゴルフのマスターズ、全英オープンなど、ほとんどの競技を網羅。ミステリー大好きで、趣味が高じて「富士山の身代金」(95年刊)など自分で執筆も。
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