サントリー沢木監督が見たフランスリーグの魅力「個性を感じる」
2017年06月04日 20:27
ラグビー
「小学2年からラグビーを始めたのですが、その頃からテレビで外国のラグビー放送があれば見ていました。当時は5カ国対抗(現シックス・ネーションズ)を民放で放送していました」
――好きだった選手や注目していたチームはありましたか?
「僕の育った秋田ではラグビーが人気あったから、みんなテレビで外国のラグビーを見て、次の練習の日はみんな早起きしてグラウンドに来て、外国のスター選手のプレーをマネしてました。好きな選手はいっぱいいました。その中で面白いラグビーをするなあと思ったのはフランスとスコットランドですね。特にフランスは、今はフランスリーグにいろんな国の選手が入っているけれど、昔はフランスならではの個性がハッキリしていました。トレンドに左右されない、自分たちのスタイルを貫くところ、個々のタレントの特性を活かす、個性的で自由なラグビーという印象がありますね。今のフランスリーグではフランス人じゃないコーチも増えてきたし、世界のトレンドのラグビーをやっているチームもあるけれど、その一方で昔からのフランスらしさが残っているチームも多い。コンタクトの激しさとか、スクラムへのこだわりとかにそういうものを感じるし、フランスには、世界のどことも違う個性を感じます」
――沢木さんは2015年ワールドカップ(W杯)まで、エディー・ジョーンズHCの参謀役として日本代表のコーチングスタッフに入っていました。エディーさんと仕事をするのはどんな時間でしたか?
「ハードでしたよ(笑い)。仕事に対する姿勢とか準備とか、すべてが勉強になりました。エディーだけではなく、他のコーチングスタッフもすごくプロフェッショナルで、エディーが求めるレベルも高い。すごく勉強になったし、良い刺激になりました」
――選手は毎朝5時半からの早朝練習が有名でした。
「スタッフも4時半には起きて準備していました。寝るのは11時過ぎくらいでハードでしたけど、僕だけじゃないですから。むしろ慣れてしまえば、自分の担当する部分をしっかり準備すればいいと分かる。準備していれば、エディーに何を聞かれても要求されても、しっかりと答えられる。準備していないとカミナリが落ちるのですが(笑い)。準備の大事さを学んだ時間でした」
――エディーさんは、現在イングランド代表のヘッドコーチです。沢木さんはエディーさんのところへ研修に行きました。
「シックス・ネーションズのフランス戦とウェールズ戦のときに行き、テストマッチに向けた準備を見せてもらいました。指導法は日本代表のときと同じような部分もありましたが、イングランドと日本ではラグビーのカルチャーが違います。システムは同じだけど、カルチャーにあった指導法をしているなと感じました。たとえば、日本でやっていた朝練はやらない。代わりにトレーニングの負荷は日本時代よりもハード。選手たちの練習に取り組む態度も良かったですね」
――その視察はサントリーの指導にどう反映させていますか。
「イングランドでは『抑えろ』と言っても、選手たちが自然に100%の力でコンタクトするので、ほっておくとどんどん激しくなる。僕はサントリーでは『全力で行け!』と言っています。練習の強度が自然に激しくなっていくのは悪いことじゃないし『練習は常に100%でやるもの』と思っていれば、心身ともそれにあわせた準備をするしケガもしない。ケガをするときは準備不足の時が多いです」
――実際に経験したW杯では何が求められるのでしょうか。
「W杯は普通のテストマッチと全然違います。何が違うかと言ったら、まずフィジカルの激しさ。コリジョン(衝突)の強度が他の試合とは全然違う。やはり4年間かけてこの舞台を目指してきた思いの深さがあるだけ、激しさはすごくなる。そしてラグビーの理解度の高さ。どのチームからも感じたことです。ラグビー知識、理解度が高くて、ゲームの流れを読む力にも隙がない。リーダーの決断力も速いし、間違いがない。それを素早く伝える能力がある。すると結局、シンプルなプレーの精度、それを落とさずに反復し続ける能力。勝負はそういうところで決まることになる」
「昨季の日本選手権決勝(サントリー15―10パナソニック)は、サントリーが勝ったけどトライがなくて『つまらなかった』とか言う人もいますが、凄くレベルの高い試合だったと思います。W杯みたいといったら言い過ぎかもしれないませんが、テストマッチみたいな試合だった。お互いに隙がなくて、シンプルなことを徹底してやりきれた試合だった。トップリーグでああいう試合がやれるようになれば、日本のレベルももっともっと上がると思いますね」
フランスリーグのプレーオフ決勝は4日深夜3時30分からWOWOWで生中継予定。
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